正常な成長・発達をしている子どもの情緒の分化で、生後6か月ころからみられ るのはどれか。
公式正答:1
解説
正常な成長発達をしている子どもの情緒の分化で、生後6か月ころからみられるものを問う。恐れである。
この問題で問われていること
情緒が分化していく順序を覚えているか。
しくみから理解する
ブリッジェスによる情緒の分化の研究では、新生児期は「興奮」という未分化な状態から始まり、生後3か月頃までに「快」と「不快」に分かれる。不快からは、生後6か月頃までに「怒り」「嫌悪」「恐れ」が分化し、快からは、生後12か月頃までに「得意」「愛情」が分かれる。さらに18か月頃に「嫉妬」、24か月頃に「喜び」が現れる。したがって、生後6か月ころにみられるのは恐れになる。この時期は、見知らぬ人に対する反応(人見知り)が現れる時期とも重なる。
選択肢ごとの確認
嫉妬は、18か月頃に現れるとされる。他者との関係の中で生じる、より複雑な情緒になる。
喜びは、24か月頃に現れるとされる。快から分化した情緒の中でも遅い。
恥ずかしさは、さらに後(幼児期以降)に現れる。自分を他者の目から見る力が育って初めて生じる、自己意識に関わる情緒になる。
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混同しやすいポイント
順序の骨格は、①興奮(新生児)、②快と不快(3か月)、③不快から怒り・嫌悪・恐れ(6か月)、④快から得意・愛情(12か月)、⑤嫉妬(18か月)、⑥喜び(24か月)になる。「不快の方が先に細かく分かれる」という点が特徴になる。危険を避けることが生存に直結するため、負の情緒が先に分化すると理解すると覚えやすい。誤肢は、いずれもより後に現れる情緒になる。
理解を深める
乳幼児の心理社会的発達を整理する。愛着=ボウルビィによれば、①前愛着(生後3か月頃まで。誰に対しても同じように反応する)、②愛着形成中(3〜6か月。特定の人により多く反応する)、③明確な愛着(6か月〜2歳。人見知りと分離不安が現れ、特定の人を安全基地として探索する)、④目標修正的な協調関係(3歳以降。相手の意図を理解し、関係を調整する)。人見知り=生後6〜8か月頃に現れ、養育者と他者を区別できるようになった証になる。分離不安=養育者から離れることへの不安。1歳前後で最も強く、3歳頃までに和らぐ。入院時には、この時期の子どもに強い苦痛を与えるため、家族の付き添いと面会が重要になる。ストレンジ・シチュエーション法による愛着の型=安定型、回避型、抵抗(アンビバレント)型、無秩序型。社会的参照=1歳前後から、判断に迷う場面で養育者の表情を見て行動を決める。分離不安への看護=①付き添いと面会を促す、②同じ看護師が関わる、③家庭で使っている物(毛布、人形)を持ち込む、④抗議、絶望、脱愛着という反応の段階を理解する(長期の分離では、泣いて抗議する時期、無気力になる時期、そして養育者への関心が薄れる時期が現れる。無気力な状態を「落ち着いた」と誤解しない)。遊び=①一人遊び、②傍観遊び、③平行遊び(2歳頃。同じ場で別々に遊ぶ)、④連合遊び(3〜4歳)、⑤協同遊び(4〜5歳。役割とルールを共有する)。遊びは、子どもにとって発達の営みそのものであり、入院中も保障されるべきものになる。
間違えやすい考え方
発達の順序を問う型で、誤肢がより後に現れる情緒である。不快が先に分化することで切る。
5分で振り返る
①ブリッジェスの情緒の分化=新生児は「興奮」、3か月で「快」と「不快」、6か月で不快から「怒り」「嫌悪」「恐れ」、12か月で快から「得意」「愛情」、18か月で「嫉妬」、24か月で「喜び」。②不快の方が先に細かく分かれる。ブリッジェスの記述は観察にもとづく順序であって、進化上の理由を示したものではない。「危険を避けることが生存に直結するから」というのは、覚え方として使う。③恥ずかしさは幼児期以降。自分を他者の目から見る力が育って生じる。④人見知りは生後6〜8か月頃に現れ、養育者と他者を区別できるようになった証。⑤分離不安は1歳前後で最も強く、3歳頃までに和らぐ。⑥長期の分離では、抗議、絶望、脱愛着の反応が現れる。無気力な状態を「落ち着いた」と誤解しない。⑦遊びは、一人遊び、傍観遊び、平行遊び、連合遊び、協同遊びの順に発達する。
1分チェック
- 生後6か月ころに分化するのは。→ 恐れ(怒り・嫌悪とともに不快から分かれる)。
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