配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV 防止法〉について 正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律について正しいものを問う。配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる、である。
この問題で問われていること
この法律の適用範囲を、正確に押さえているか。
しくみから理解する
この法律における「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者(いわゆる内縁関係)が含まれる。加えて、離婚した後も、引き続き暴力を受ける場合は対象になる。さらに、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力についても、この法律が準用される。形式的な婚姻の有無ではなく、実質的な関係で判断する仕組みになっている。
選択肢ごとの確認
保護命令を出すのは配偶者暴力相談支援センターではなく、地方裁判所になる。被害者の申立てにもとづき、裁判所が加害者に対して命令を出す。センターの役割は、相談、カウンセリング、緊急時の安全の確保と一時保護、自立支援、そして保護命令の制度の利用についての情報提供と援助になる。
通報先は保健所ではなく、配偶者暴力相談支援センターまたは警察官になる。配偶者からの暴力を受けている者を発見した者は、その旨をこれらへ通報するよう努めなければならない(努力義務)。医師その他の医療関係者は、業務上その事実を知ったときに通報することができ、この場合、守秘義務に関する規定は妨げにならない。ただし、被害者の意思を尊重するよう努めることとされている。
加害者の矯正は、この法律の目的に含まれない。目的は、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、暴力の防止と被害者の保護を図ることになる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①保護命令を出す機関、②通報先、③法の目的という3点になる。押さえるべきは、「保護命令=地方裁判所」「通報=配偶者暴力相談支援センターまたは警察」「目的=防止と被害者の保護」の3点になる。加えて、この法律が事実婚と、生活の本拠を共にする交際相手にも及ぶ点が、繰り返し問われる。
理解を深める
配偶者からの暴力を整理する。暴力の種類=身体的暴力、精神的暴力(言葉による威圧、無視、行動の監視と制限)、性的暴力、経済的暴力(生活費を渡さない、働かせない、金銭を管理する)、そして子どもを巻き込むもの。保護命令の種類=①被害者への接近禁止命令、②電話等禁止命令、③被害者の子または親族等への接近禁止命令、④退去命令(住居からの退去と、その付近をはいかいすることの禁止)。申立ては地方裁判所へ行う。配偶者暴力相談支援センター=都道府県の婦人相談所その他の適切な施設が機能を果たす。市町村も設置に努める。役割は、相談と相談機関の紹介、カウンセリング、緊急時における安全の確保と一時保護、自立して生活することを促進するための情報提供と援助、保護命令の利用についての援助、保護施設の利用についての援助。医療者の役割=①暴力を疑う所見に気づく(説明と合わない外傷、繰り返す受診、受診の遅れ、パートナーが常に付き添って本人が話せない、不安と抑うつ、妊娠中の外傷)、②一人になれる場で、安全に話を聴く、③本人を責めない、④「あなたのせいではない」と伝える、⑤記録を正確に残す(後の手続きで証拠になる。日時、部位、大きさ、本人の言葉をそのまま)、⑥相談先の情報を渡す(本人が持ち帰れない場合は、覚えやすい形で伝える)、⑦本人の意思とペースを尊重する(すぐに離れることを迫らない。離れる時期が最も危険が高まることもある)、⑧安全計画を一緒に考える、⑨子どもへの影響(暴力を目撃することは児童虐待に当たる=面前の暴力による心理的虐待)を把握し、必要なら児童相談所へ通告する。妊娠中は暴力が始まり、また強まりやすい時期であり、母子保健の場面での把握が重要になる。
間違えやすい考え方
法の規定を問う型で、誤肢が命令を出す機関・通報先・目的を誤る。3つの対応で切る。
5分で振り返る
①「配偶者」には、事実上婚姻関係と同様の事情にある者(内縁)が含まれる。離婚後も引き続き暴力を受ける場合、また生活の本拠を共にする交際相手にも準用される。②保護命令を出すのは地方裁判所。被害者の申立てによる。③通報先は配偶者暴力相談支援センターまたは警察官。発見した者は通報の努力義務があり、医療関係者は守秘義務を妨げられずに通報できる。④法の目的は暴力の防止と被害者の保護。加害者の矯正は含まれない。⑤保護命令=接近禁止、電話等禁止、子や親族への接近禁止、退去命令。⑥子どもが暴力を目撃することは、面前の暴力による心理的虐待に当たる。⑦妊娠中は暴力が始まり、また強まりやすい。
1分チェック
- この法律の配偶者には。→ 事実婚(生活の本拠を共にする交際相手にも準用)。
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