看護におけるクリニカルラダーについて正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
看護におけるクリニカルラダーについて正しいものを問う。臨床実践に必要な能力が段階的に表現されている、である。
この問題で問われていること
この仕組みが何を示すものかを理解しているか。
しくみから理解する
クリニカルラダーは、看護師の臨床実践能力を、段階(ラダー=はしご)として示した枠組みになる。各段階に、求められる能力と、それを示す行動が記述されており、看護師は自分の位置を確認し、次の段階へ向けて学習を進める。組織にとっては、教育の計画、配置、そして評価の指標になる。日本看護協会は「看護師のクリニカルラダー」を公表しており、①ニーズをとらえる力、②ケアする力、③協働する力、④意思決定を支える力の4つの能力を、5段階で示している。
選択肢ごとの確認
病院に導入が義務づけられてはいない。法令上の義務ではなく、各施設が任意に導入するものになる。ただし、多くの施設で人材育成の枠組みとして用いられている。
ワーク・ライフ・バランスを目指すものではない。ワーク・ライフ・バランスは、仕事と生活の調和を指し、労働時間、休暇、勤務の形態、そして両立の支援に関わる別の取り組みになる。クリニカルラダーは、実践能力の育成と評価の枠組みになる。
全国の病院で共通のものが使用されているわけではない。日本看護協会が示した枠組みは、各施設が自施設のラダーを作成し、また既存のものを見直す際の指針として活用されるもので、そのまま全施設で共通に用いられているわけではない。施設の規模、機能、そして看護部の方針により、段階の数と内容は異なる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①法的な義務、②目的の取り違え、③運用の実態という3点になる。押さえるべきは、「能力の段階を示す枠組み」「任意の導入」「施設ごとに作る(協会の枠組みは指針)」の3点になる。名称の「ラダー(はしご)」が、段階的に上がっていく構造を表している点も、理解の助けになる。
理解を深める
看護職の人材育成を整理する。日本看護協会の看護師のクリニカルラダーの4つの力=①ニーズをとらえる力(対象を身体・精神・社会・スピリチュアルの側面から総合的に捉える)、②ケアする力(根拠にもとづき、安全で安楽なケアを提供する)、③協働する力(対象を含むチームの一員として、他者と協力する)、④意思決定を支える力(対象の意向を尊重し、その人らしい選択を支える)。5段階=Ⅰ(基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する)からⅤ(より複雑な状況において、対象にとっての最適な手段を選択し、質の高い看護を実践する)まで。教育の体系=①新人看護職員研修(保健師助産師看護師法および看護師等の人材確保の促進に関する法律により、病院等の開設者には研修の実施が努力義務とされている)、②継続教育(現任教育、院内研修、院外研修、学会)、③認定看護師(特定の看護分野で、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護を実践する)、④専門看護師(複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族、集団に対して、水準の高い看護を提供する。実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究の6つの役割)、⑤認定看護管理者、⑥特定行為研修を修了した看護師、⑦大学院教育。人材確保=看護師等の人材確保の促進に関する法律により、国と地方公共団体、病院等の開設者、そして看護師等自身の責務が定められている。都道府県ナースセンターが、無料の職業紹介、相談、そして調査と情報の提供を行う。離職の防止=勤務環境の改善、夜勤の負担の軽減、両立支援、暴力とハラスメントへの対策、そしてキャリアの見通しを持てるようにすることが課題になる。
間違えやすい考え方
制度の性格を問う型で、誤肢が義務・目的・共通性を誤る。能力の段階を示す任意の枠組みで切る。
5分で振り返る
①クリニカルラダーは、看護師の臨床実践能力を段階として示した枠組み。各段階に求められる能力と行動が記述されている。②法令上の導入義務はない。各施設が任意に導入する。③ワーク・ライフ・バランスは別の取り組み(仕事と生活の調和)。④全国共通のものが使われているわけではない。協会の枠組みは、各施設が自施設のラダーを作る際の指針。⑤日本看護協会の枠組みは、ニーズをとらえる力、ケアする力、協働する力、意思決定を支える力の4つを5段階で示す。⑥新人看護職員研修は、病院等の開設者の努力義務。⑦専門看護師の役割は、実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究の6つ。⑧都道府県ナースセンターが無料の職業紹介と相談を行う。
1分チェック
- クリニカルラダーとは。→ 臨床実践能力を段階的に示した枠組み(施設ごとに作る)。
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