災害拠点病院の説明で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
災害拠点病院の説明で正しいものを問う。広域搬送の体制を備えている、である。
この問題で問われていること
指定の主体と、備えるべき機能を押さえているか。
しくみから理解する
災害拠点病院は、災害時に多発する重篤な傷病者の受け入れと、被災地内では対応できない傷病者を被災地外へ搬送する広域搬送に対応する体制を備えることが求められる。具体的には、①ヘリコプターの離着陸場(敷地内、または近接した場所で、患者の搬送に支障のない場所)、②搬送に用いる車両、③衛星電話等の通信手段、④災害派遣医療チームを保有し、派遣する体制、⑤受け入れと搬送の調整を行う体制になる。
選択肢ごとの確認
国が指定するのではなく、都道府県知事が指定する。厚生労働省が要件を定め、それにもとづいて都道府県が指定する仕組みになる。
災害発生時に指定されるのではない。平時にあらかじめ指定しておくものになる。災害が起きてから指定したのでは、設備も体制も間に合わない。
地域災害拠点病院は各都道府県に1か所ではない。都道府県に1か所(または複数)置かれるのは基幹災害拠点病院になる。地域災害拠点病院は、二次医療圏ごとに原則1か所以上置かれる。両者の区別が、この設問で最も紛らわしい点になる。
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混同しやすいポイント
押さえるべきは、①指定するのは都道府県知事、②平時に指定、③基幹は都道府県に1か所、地域は二次医療圏に1か所以上、④広域搬送に対応する体制、の4点になる。誤肢は、①指定の主体、②指定の時期、③設置の単位という3点を誤っている。「基幹=都道府県」「地域=二次医療圏」という単位の対応で覚える。
理解を深める
災害医療体制を整理する。災害拠点病院の要件=①24時間の緊急対応と、被災地内の傷病者の受け入れと搬出、②実施する診療機能を有する施設(重症者の対応が可能な設備、簡易ベッド、水と食料の備蓄、自家発電、受水槽)、③災害派遣医療チームを保有し、派遣する体制、④ヘリコプターの離着陸場、⑤救急車、⑥衛星電話と広域災害救急医療情報システムへの参加、⑦地域の医療機関への支援と研修、⑧業務継続計画の策定と、それにもとづく訓練。災害派遣医療チーム=災害の急性期(おおむね48時間以内)に活動する、機動性を持った専門的な訓練を受けたチーム。医師、看護師、業務調整員で構成される。災害派遣精神医療チーム=被災者と支援者の心のケアを行う。広域災害救急医療情報システム=災害時に、医療機関の被災状況と受け入れ可否を共有する仕組み。トリアージ=限られた資源で最大多数を救うため、治療の優先順位を決める。①赤(最優先治療群。生命に関わるが、処置により救命の可能性がある)、②黄(待機的治療群。治療は必要だが、多少の遅れは許容できる)、③緑(保留群。歩行が可能で、軽処置で足りる)、④黒(死亡群、または救命が極めて困難)。一次トリアージは、歩行の可否、呼吸、循環、意識の順に短時間で判定する方法が用いられる。トリアージは繰り返し行う(状態は変化する)。災害の時期と看護=①超急性期(発災から48時間。救命、トリアージ、応急処置)、②急性期(〜1週間。医療の継続、避難所の環境整備、感染の予防)、③亜急性期(〜1か月。慢性疾患の管理、生活不活発病の予防、心のケア)、④慢性期・復興期(生活の再建、孤立の予防、心的外傷後ストレス障害への対応、そしてコミュニティの再構築)。災害に強い体制=平時からの備え(備蓄、訓練、連携、業務継続計画)が、災害時の対応を決める。
間違えやすい考え方
制度の要件を問う型で、誤肢が指定の主体・時期・設置の単位を誤る。基幹と地域の単位の対応で切る。
5分で振り返る
①災害拠点病院は、都道府県知事が平時にあらかじめ指定する。国が指定するのではない。②広域搬送に対応する体制(ヘリコプターの離着陸場、車両、衛星電話、災害派遣医療チームの保有と派遣)を備える。③基幹災害拠点病院は都道府県に1か所(または複数)、地域災害拠点病院は二次医療圏ごとに原則1か所以上。④広域災害救急医療情報システムに参加し、被災状況と受け入れ可否を共有する。⑤災害派遣医療チームは、急性期(おおむね48時間以内)に活動する。医師、看護師、業務調整員で構成。⑥トリアージの区分=赤(最優先)、黄(待機的)、緑(保留)、黒(死亡または救命困難)。状態は変化するため繰り返し行う。⑦業務継続計画の策定と訓練が要件に含まれる。
1分チェック
- 災害拠点病院は。→ 都道府県知事が平時に指定し、広域搬送の体制を備える。
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