平成27 年(2015 年)時点での世界の三大感染症に入るのはどれか。
公式正答:2
解説
平成27年(2015年)時点での世界の三大感染症に入るものを問う。マラリアである。
この問題で問われていること
国際保健で優先される感染症を挙げられるか。
しくみから理解する
世界の三大感染症とは、後天性免疫不全症候群(ヒト免疫不全ウイルス感染症)、結核、そしてマラリアの3つを指す。いずれも、開発途上国を中心に、年間に多数の死亡をもたらし、経済と社会の発展を妨げてきた。国際連合のミレニアム開発目標では、この3つの蔓延の防止が目標に掲げられ、続く持続可能な開発目標でも、2030年までに終息させることが掲げられている。世界エイズ・結核・マラリア対策基金は、この3つに対する取り組みを支援するために設立された。
選択肢ごとの確認
急性灰白髄炎(ポリオ)は、三大感染症には含まれない。予防接種による根絶計画が進み、野生株による患者は世界のごく一部の地域に限られるまで減少した。
天然痘は、1980年に世界保健機関により根絶が宣言された、人類が根絶に成功した唯一の感染症になる。したがって、2015年時点で三大感染症に入ることはない。
麻疹は、感染力が極めて強く、依然として重要な感染症だが、三大感染症には含まれない。予防接種により制御が可能で、排除を目指す取り組みが進んでいる。日本は2015年に排除状態にあると認定された。
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混同しやすいポイント
三大感染症は、①後天性免疫不全症候群、②結核、③マラリアの3つを、そのまま覚える。誤肢は、①根絶が近いもの(ポリオ)、②根絶されたもの(天然痘)、③予防接種で制御されるもの(麻疹)になる。「予防接種で防げるかどうか」が一つの分かれ目になる。設問が問う平成27年の時点では、三大感染症に有効なワクチンが確立していないという共通点があった(結核のワクチンは小児の重症型を防ぐが、成人の肺結核には限定的)。その後、マラリアについては2021年に世界保健機関が流行地域の小児を対象とするワクチンの使用を推奨し、2023年にはもう1種類が加わっている。
理解を深める
国際保健を整理する。三大感染症=①後天性免疫不全症候群(サハラ以南のアフリカに集中。母子感染の予防と治療の普及により死亡は減少している)、②結核(世界で年間約1,000万人が発病。薬剤耐性結核が課題。日本は先進国の中では罹患率が高かったが、2021年に低蔓延国の水準に達した)、③マラリア(ハマダラカが媒介する原虫感染症。熱帯熱マラリアが最も重篤。蚊帳の普及、迅速診断、そして治療薬により死亡は減少したが、薬剤耐性と殺虫剤耐性が課題)。国際保健の枠組み=①世界保健機関(国際連合の専門機関。本部はジュネーブ。感染症対策、国際保健規則、必須医薬品、そして基準の設定)、②国際連合児童基金(子どもの保健、栄養、水と衛生、教育)、③持続可能な開発目標(17の目標。目標3が保健「すべての人に健康と福祉を」。母子保健、感染症、非感染性疾患、薬物とアルコール、交通事故、性と生殖に関する保健、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、環境要因)、④ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(すべての人が、必要な保健医療サービスを、経済的な困難を伴うことなく受けられる状態)、⑤政府開発援助と国際協力機構による技術協力。国際保健の課題=①感染症と非感染性疾患の二重の負担、②保健人材の不足と偏在、③健康格差、④気候変動の健康への影響、⑤新興・再興感染症、⑥薬剤耐性。日本の役割=技術協力、人材育成、そして保健システムの強化への支援。看護職も、国際協力の場で活動している。
間違えやすい考え方
統計と枠組みを問う型で、誤肢が根絶したもの・予防接種で防げるものである。三大感染症の3つで切る。
5分で振り返る
①世界の三大感染症=後天性免疫不全症候群(ヒト免疫不全ウイルス感染症)、結核、マラリア。②いずれも開発途上国を中心に多数の死亡をもたらす。ミレニアム開発目標と持続可能な開発目標で、蔓延の防止と終息が掲げられている。③天然痘は1980年に根絶が宣言された、人類が根絶に成功した唯一の感染症。④急性灰白髄炎(ポリオ)は、予防接種による根絶計画が進み、野生株の患者はごく一部の地域に限られる。⑤麻疹は感染力が極めて強いが、予防接種で制御できる。日本は2015年に排除状態にあると認定された。⑥マラリアはハマダラカが媒介する原虫感染症。熱帯熱マラリアが最も重篤。⑦ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ=すべての人が必要な保健医療サービスを経済的困難を伴わずに受けられる状態。
1分チェック
- 世界の三大感染症は。→ 後天性免疫不全症候群、結核、マラリア。
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