放射性同位元素を用いるのはどれか。
公式正答:5
解説
放射性同位元素を用いる検査を問う。骨シンチグラフィである。
この問題で問われていること
検査の原理を、用いるものから区別できるか。
しくみから理解する
シンチグラフィは、放射性同位元素で標識した薬剤(放射性医薬品)を体内へ投与し、その集まり方をガンマカメラで画像にする検査になる。骨シンチグラフィでは、骨の代謝が活発な部位に集まる薬剤を用いるため、骨転移、骨折、炎症、そして代謝性の骨疾患を全身にわたって一度に評価できる。放射線を体の外から当てるのではなく、体内から放出される放射線を検出する点が、他の画像検査と根本的に異なる。
選択肢ごとの確認
脳血管造影は、カテーテルから造影剤を注入し、エックス線で血管を撮影する検査になる。放射線は用いるが、体の外から照射するエックス線であり、放射性同位元素は用いない。
膀胱鏡検査は、内視鏡を尿道から挿入して膀胱の内部を直接観察する検査になる。放射線を用いない。
頭部のコンピュータ断層撮影は、エックス線を体の周囲から照射し、透過の程度を計算して断面の画像を作る検査になる。放射線を用いるが、外から照射するもので、放射性同位元素ではない。
腹部超音波検査は、超音波を用いる。放射線を用いないため、繰り返し行え、妊婦にも用いられる。
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混同しやすいポイント
「放射線を使うか」ではなく「放射性同位元素を体内へ入れるか」が判断の基準になる。誤肢のうち、脳血管造影とコンピュータ断層撮影は放射線を用いるため紛らわしいが、いずれも外から照射するものになる。核医学検査(シンチグラフィ、単一光子放射断層撮影、陽電子放射断層撮影)だけが、放射性医薬品を投与する検査になる。
理解を深める
画像検査を整理する。①エックス線検査=単純撮影、造影検査、コンピュータ断層撮影。外からエックス線を照射する。被曝がある。②核医学検査=放射性医薬品を投与し、体内から放出される放射線を検出する。骨シンチグラフィ(骨転移)、心筋シンチグラフィ(虚血、心筋の生存)、甲状腺シンチグラフィ、肺血流シンチグラフィ(肺塞栓)、脳血流シンチグラフィ(認知症、脳血管障害)、腎シンチグラフィ、そして陽電子放射断層撮影(腫瘍の検出と病期の評価。糖の代謝が活発な部位に集まる薬剤を用いるため、検査前の絶食と血糖の管理が必要になる)。③磁気共鳴画像=強い磁場と電波を用いる。放射線被曝はないが、体内の金属(一部のペースメーカー、動脈瘤クリップ、人工内耳)が禁忌または制限になる。金属の持ち込みは重大な事故を招くため、確認を徹底する。閉所での長時間の検査で、大きな音がする。④超音波検査=放射線被曝がなく、繰り返し行え、ベッドサイドでも実施できる。⑤内視鏡検査=直接観察と生検、そして治療が可能。核医学検査の看護=①検査の目的と方法の説明(放射性医薬品を投与すると聞くと不安を抱く人が多い。被曝の量は検査ごとに異なり、成人の骨シンチグラフィでおよそ数ミリシーベルト、日本の自然放射線による年間被曝(約2.1ミリシーベルト)の1〜3年分に相当することを、正確に伝える)、②検査前の準備(薬剤により、絶食、水分の摂取、内服薬の調整、そして前処置が異なる)、③投与から撮影までの待ち時間(薬剤が目的の部位に集まるまでに時間を要する。骨シンチグラフィでは3時間程度)、④検査後(禁忌がなければ水分を多めに摂り、排尿を促して薬剤の排泄を助ける。心不全、腎不全、水分制限の指示がある患者では、指示された水分量の範囲で行う。授乳中の場合は、一定期間の中断が必要になることがある)、⑤排泄物の取り扱い(通常の対応で足りるが、施設の方針に従う)、⑥小児と妊婦への配慮。
間違えやすい考え方
検査の原理を問う型で、誤肢に放射線を用いる別の検査が混じる。体内へ入れるかどうかで切る。
5分で振り返る
①シンチグラフィは、放射性同位元素で標識した薬剤を投与し、その集まり方をガンマカメラで画像にする。体内から放出される放射線を検出する。②骨シンチグラフィは、骨の代謝が活発な部位に集まる薬剤を用い、骨転移、骨折、炎症を全身で一度に評価できる。③脳血管造影と頭部コンピュータ断層撮影は、外からエックス線を照射する検査。放射性同位元素は用いない。④膀胱鏡検査は内視鏡による直接観察、腹部超音波検査は超音波を用いる。いずれも放射線を用いない。⑤核医学検査=シンチグラフィ、単一光子放射断層撮影、陽電子放射断層撮影。⑥陽電子放射断層撮影は、検査前の絶食と血糖の管理が必要。⑦骨シンチグラフィでは投与から撮影まで3時間程度を要する。⑧検査後は、禁忌がなければ水分を多めに摂り排尿を促す。心不全、腎不全、水分制限の指示がある患者では、指示された水分量の範囲で行う。
1分チェック
- 放射性同位元素を用いるのは。→ 骨シンチグラフィ(核医学検査)。
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