修正型電気けいれん療法について正しいのはどれか。2つ選べ。
公式正答:3・5
解説
修正型電気けいれん療法について正しいものを2つ問う。筋弛緩薬を用いること、薬物治療抵抗性のうつ病は適応になること、である。
この問題で問われていること
この治療の手順と適応を、正確に押さえているか。
しくみから理解する
電気けいれん療法は、頭部に電流を流して人為的にけいれん発作を起こす治療になる。かつては、けいれんに伴う骨折、脱臼、そして筋の損傷が問題になった。修正型では、全身麻酔と筋弛緩薬を併用することで、脳では発作を起こしつつ、身体のけいれんを抑える。これにより、骨折などの合併症が大幅に減った。適応は、①薬物治療に反応しない重症のうつ病、②自殺の危険が切迫している場合、③昏迷と拒食により生命の危険がある場合、④緊張病、⑤薬物治療に反応しない統合失調症、⑥悪性症候群、⑦妊娠中など薬物を使いにくい場合になる。効果の発現が薬物療法より速い点が、大きな利点になる。
選択肢ごとの確認
磁気を用いるのは、経頭蓋磁気刺激法になる。電気けいれん療法は電流を用いる。磁気刺激法は、けいれんを起こさず、麻酔も不要で、外来で行える。うつ病に対して用いられるが、効果と適応は電気けいれん療法とは異なる。
局所麻酔下ではなく、全身麻酔下で行う。静脈麻酔薬で意識を消失させたうえで、筋弛緩薬を投与し、その間は人工呼吸で換気を維持する。したがって、麻酔科医の関与と、蘇生の体制が必要になる。
発生頻度の高い有害事象は骨折ではない。修正型では筋弛緩薬により身体のけいれんが抑えられるため、骨折はまれになった。頻度が高いのは、頭痛、悪心、筋肉痛、そして健忘(治療の前後の記憶が抜ける。多くは一時的だが、遷延することもある)になる。加えて、治療直後の一過性の血圧上昇と不整脈、そして覚醒時のせん妄がみられることがある。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①用いるもの(磁気)、②麻酔の種類(局所)、③有害事象(骨折)という3点になる。「修正型」という語が、まさに筋弛緩薬と全身麻酔による修正を指しており、そこから③も導ける。修正されたのだから骨折は減っている、という理屈になる。
理解を深める
精神科の身体的治療を整理する。電気けいれん療法の実際=①事前の評価(身体の状態、心電図、胸部エックス線、血液検査、頭部の画像、そして同意の取得)、②絶食(誤嚥の予防)、③抗コリン薬の前投薬は、かつては定型的に行われたが現在は必須とされない。通電後の高血圧と頻脈をむしろ強めうるため、臨床上問題となる徐脈や分泌への懸念がある場合に、麻酔の手順の中で選択的に検討する、④静脈麻酔と筋弛緩薬、⑤通電(両側または片側)、⑥発作の確認(脳波、そして駆血帯で筋弛緩薬を届かせない部位のけいれんを観察する方法)、⑦覚醒までの呼吸と循環の管理、⑧覚醒後の観察(せん妄、頭痛、悪心、健忘)。通常、週2〜3回、合計6〜12回程度を1クールとして行う。禁忌=絶対的な禁忌はないとされるが、頭蓋内圧の亢進、最近の心筋梗塞、重篤な心疾患、そして麻酔に耐えられない全身状態では慎重に判断する。看護=①治療への不安(「電気を流す」という言葉への恐怖、過去の描かれ方による偏見)に対し、正確な情報を、繰り返し、分かりやすく伝える、②同意の過程を支える、③絶食と前処置の確認、④治療中の介助と観察、⑤治療後の安全(覚醒時のせん妄による転倒と転落、健忘による混乱)、⑥健忘への対応(日付と場所を繰り返し伝える、大事な予定は記録しておく)、⑦効果の評価(抑うつ、食事、睡眠、活動、自殺念慮)、⑧維持療法の説明(改善しても再発しうるため、薬物療法を継続する)。その他の身体的治療=薬物療法、経頭蓋磁気刺激法、光療法(季節性のうつ病)、そして断眠療法。精神科の治療は、身体的治療、心理社会的治療、そして環境の調整を組み合わせて行われる。
間違えやすい考え方
治療の正誤を問う型で、誤肢が用いるもの・麻酔・有害事象を誤る。「修正型」の意味で切る。
5分で振り返る
①電気けいれん療法は、頭部に電流を流して人為的にけいれん発作を起こす治療。②修正型は、全身麻酔と筋弛緩薬を併用し、脳では発作を起こしつつ身体のけいれんを抑える。骨折などの合併症が大幅に減った。③局所麻酔ではなく全身麻酔で行い、その間は人工呼吸で換気を維持する。④磁気を用いるのは経頭蓋磁気刺激法。けいれんを起こさず麻酔も不要。⑤適応=薬物治療に反応しない重症のうつ病、自殺の危険が切迫、昏迷と拒食で生命の危険、緊張病、悪性症候群、妊娠中など薬物を使いにくい場合。⑥効果の発現が薬物療法より速い。⑦頻度の高い有害事象=頭痛、悪心、筋肉痛、健忘(多くは一時的)。⑧週2〜3回、6〜12回程度を1クールとする。
1分チェック
- 修正型電気けいれん療法は。→ 全身麻酔と筋弛緩薬を用い、薬物抵抗性のうつ病が適応。
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