次の文を読み、問いに答えよ。A君(男児)は3歳の誕生日を迎えた。生後8か月のときに鶏卵の摂取でアナフィラキシーを起こしたため、かかりつけ医を受診した。それ以降、現在までA君は鶏卵の摂取を禁止するよう説明されている。鶏卵以外の食物は摂取して問題がない。今回、A君は保育所の入所にあたり、かかりつけ医からアレルギー外来のあるB病院を紹介され受診した。3歳児健康診査が今後予定されている。A君は身長95cm(50パーセンタイル)、体重15kg(75パーセンタイル)、自分の名前と年齢を答えることができる。階段を1人で昇ることができるが、スキップはできない。排泄はオムツにしている。
A 君の発育と発達のアセスメントで正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
身長95cm(50パーセンタイル)、体重15kg(75パーセンタイル)、自分の名前と年齢を答えられ、階段を1人で昇れるがスキップはできず、排泄はおむつにしている3歳男児のアセスメントを問う。運動発達は年齢相応である、である。
この問題で問われていること
3歳でできること・まだできないことを、区別できるか。
しくみから理解する
3歳では、①階段を交互に足を出して昇る、②片足で数秒立つ、③三輪車をこぐ、④走る、⑤ボールを蹴る、といった運動ができる。一方、スキップができるようになるのは5歳頃、片足跳びは4歳頃になる。したがって、「階段を1人で昇ることができるが、スキップはできない」という状態は、3歳として年齢相応の運動発達になる。できないことがあるからといって遅れとは限らず、その年齢で獲得される時期を知っていることが判断の鍵になる。
選択肢ごとの確認
肥満とはいえない。身長が50パーセンタイル、体重が75パーセンタイルであり、いずれも基準の範囲内になる。パーセンタイル値は、同じ年齢と性別の集団の中での位置を示すもので、3〜97パーセンタイルが正常の範囲とされる。加えて、幼児期の肥満の判定には、身長別の標準体重に対する肥満度を用いる。単に体重のパーセンタイルが身長より高いことだけでは肥満とはいえない。
言語発達に遅れがあるともいえない。3歳では、①自分の名前と年齢が言える、②2語文から3語文を話す、③簡単な質問に答える、④「これ何」と繰り返し尋ねる、といった発達がみられる。この児は名前と年齢を答えられており、年齢相応になる。
排泄の自立に遅れがあるともいえない。排泄の自立は個人差が大きく、①日中の排尿の自立は2歳半から3歳半頃、②夜間も含めた自立は3歳から4歳頃が目安になる。3歳の誕生日を迎えたばかりでおむつを使用していることは、遅れとは判断されない。加えて、この時期に無理に外そうとすると、かえって失敗が増え、本人の負担になる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①指標の読み違い、②③発達の時期の取り違えになる。3歳の目安を、領域ごとに押さえる。①運動=階段を交互に昇る、三輪車、片足立ち。②微細運動=丸を描く、はさみを使い始める、ボタンをはめる。③言語=名前と年齢を言う、3語文、簡単な会話。④社会性=ままごとなどのごっこ遊び、順番を待とうとする、平行遊びから連合遊びへ。⑤生活=1人で食べる、衣服の着脱を試みる、排泄の自立が進む。
理解を深める
幼児期の発達を整理する。運動の発達の目安=①1歳=1人歩き、②1歳6か月=走る、階段を這って昇る、③2歳=両足でジャンプ、階段を1段ずつ足をそろえて昇る、④3歳=階段を交互に昇る、片足で数秒立つ、三輪車をこぐ、⑤4歳=片足跳び、階段を交互に降りる、⑥5歳=スキップ、片足で数秒間立ち続ける。言語=①1歳=有意語(初語)、②1歳6か月=単語を数語、③2歳=2語文、④3歳=3語文、名前と年齢、⑤4歳=過去の出来事を話す、⑥5歳=しりとり、文字への関心。社会性=①1歳6か月=模倣、②2歳=平行遊び、自我の芽生え(いやいや)、③3歳=ごっこ遊び、順番を待つ、④4歳=連合遊び、ルールのある遊び、⑤5歳=協同遊び、役割分担。3歳児健康診査=母子保健法により市町村に実施が義務づけられている。内容=身体の発育、栄養、脊柱と胸郭、皮膚、眼(視力検査を含む)、耳鼻咽喉(聴力検査を含む)、歯と口腔、四肢運動、精神発達、言語障害、予防接種の実施状況、育児上の問題、その他の疾病と異常。目的は、疾病と障害の早期発見、そして育児の支援になる。視覚と聴覚の異常を見つける機会として重要で、この時期の発見が、その後の発達に大きく影響する。加えて、虐待の早期発見の機会でもあり、未受診の家庭への働きかけが行われる。パーセンタイル値の読み方=3パーセンタイル未満と97パーセンタイルを超える場合に精査を検討する。1点の値より、成長曲線に沿って伸びているか、曲線から外れていく動きがないかを見ることが重要になる。
間違えやすい考え方
発達の評価を問う型で、誤肢が指標の読み違いと時期の取り違えである。3歳の目安を領域ごとに照合して切る。
5分で振り返る
①3歳=階段を交互に昇る、片足で数秒立つ、三輪車をこぐ。スキップは5歳頃、片足跳びは4歳頃。②「階段を昇れるがスキップができない」は3歳として年齢相応。③身長50パーセンタイル、体重75パーセンタイルはいずれも正常の範囲(3〜97パーセンタイル)。幼児の肥満は身長別標準体重に対する肥満度で判定する。④3歳では名前と年齢が言え、3語文を話す。この児は年齢相応。⑤排泄の自立は、日中が2歳半〜3歳半、夜間も含めて3〜4歳頃が目安。3歳でおむつは遅れではない。⑥3歳児健康診査は母子保健法により市町村に義務づけられ、視力検査と聴力検査を含む。⑦パーセンタイル値は、1点の値より成長曲線からの外れ方を見る。
1分チェック
- 3歳でスキップができないのは。→ 年齢相応(スキップは5歳頃)。
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