炎症マーカーはどれか。
公式正答:3
解説
炎症マーカーを問う。C反応性蛋白質(CRP)である。
この問題で問われていること
検査項目が何を反映するかを対応づけられるか。
しくみから理解する
C反応性蛋白質は、炎症や組織の傷害が起こると肝臓で産生が増える急性期蛋白になる。刺激から数時間で上昇し始め、2〜3日で最高値に達し、原因が取り除かれると速やかに低下する。この動きの速さから、炎症の有無と程度、そして治療への反応を見る指標として広く用いられる。細菌感染症では大きく上昇し、ウイルス感染症では上昇が比較的軽度にとどまることが多い。ほかの炎症の指標としては、赤血球沈降速度、白血球数、プロカルシトニン(細菌感染に比較的特異的)がある。
選択肢ごとの確認
CA19-9は腫瘍マーカーになる。膵癌、胆道癌、大腸癌などで上昇する。ただし、ルイス式血液型の関係で約10%の人では産生されず、また良性の胆道疾患でも上昇するため、単独で診断はできない。
抗核抗体は自己抗体になる。全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、シェーグレン症候群などの膠原病のスクリーニングに用いられる。炎症の程度を示すものではない。
リウマトイド因子も自己抗体になる。関節リウマチで陽性となることが多いが、健常者や他の疾患でも陽性になりうる。関節リウマチの診断では、抗環状シトルリン化ペプチド抗体の方が特異度が高い。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
誤肢は、腫瘍マーカーと自己抗体で構成されている。いずれも血液検査の項目だが、示すものが異なる。検査項目を覚えるときは、「何を反映するか」で分類する。炎症=C反応性蛋白質、赤血球沈降速度、白血球数。腫瘍=CEA、CA19-9、AFP、PSA、CA125。自己免疫=抗核抗体、リウマトイド因子、抗環状シトルリン化ペプチド抗体。臓器=肝(AST、ALT、γ-GT)、腎(クレアチニン、尿素窒素)、心(トロポニン、BNP)、膵(アミラーゼ、リパーゼ)。
理解を深める
炎症の評価では、複数の指標を組み合わせる。白血球数は、細菌感染では増加し、好中球の割合が高まる(好中球増多)。これとは別に、桿状核球や後骨髄球といった幼若な好中球が増える現象を左方移動といい、数の変化と幼若細胞の出現は別のものとして区別する。ウイルス感染ではリンパ球が優位になることがある。重症の感染症では、かえって白血球が減少することもあり、これは予後不良の徴候になる。赤血球沈降速度は、炎症で亢進するが、貧血、高グロブリン血症でも亢進し、変化が緩やかなため、慢性の炎症の経過を見るのに向く。C反応性蛋白質は変化が速く、急性の評価に向く。プロカルシトニンは、細菌感染と全身性炎症反応の鑑別に用いられ、抗菌薬の使用の判断にも役立つ。看護では、これらの検査値と、体温、脈拍、呼吸数、意識、そして局所の所見(発赤、腫脹、熱感、疼痛、機能障害=炎症の五徴)をあわせて評価する。高齢者では、感染症があっても発熱しないことや、C反応性蛋白質の上昇が乏しいことがあり、食欲不振、活気の低下、せん妄といった非特異的な変化が唯一の手がかりになることもある。検査値だけに頼らず、いつもと違う様子を拾うことが重要になる。
間違えやすい考え方
検査項目の意味を問う型で、誤肢が腫瘍マーカーと自己抗体である。何を反映するかで分類して切る。
5分で振り返る
①C反応性蛋白質は炎症や組織傷害で肝臓での産生が増える急性期蛋白。数時間で上昇、2〜3日で最高値、原因が除かれれば速やかに低下。②細菌感染では大きく上昇、ウイルス感染では比較的軽度。③CA19-9は腫瘍マーカー(膵癌、胆道癌など)。④抗核抗体は膠原病のスクリーニング用の自己抗体。⑤リウマトイド因子も自己抗体。関節リウマチでは抗環状シトルリン化ペプチド抗体の方が特異度が高い。⑥赤血球沈降速度は変化が緩やかで慢性の経過を見るのに向く。⑦高齢者では発熱もCRPの上昇も乏しいことがあり、食欲不振・活気の低下・せん妄が唯一の手がかりになる。
1分チェック
- 炎症マーカーは。→ C反応性蛋白質(CRP)。数時間で上昇し、2〜3日で最高値。
この問題に対応する教材の確認中です。