胃から食道への逆流を防ぐために、成人が食後30 分から1時間程度とるとよい 体位はどれか。
公式正答:1
解説
胃から食道への逆流を防ぐために、成人が食後30分から1時間程度とるとよい体位を問う。座位である。
この問題で問われていること
重力を使って逆流を防ぐという考え方を説明できるか。
しくみから理解する
胃の内容物が食道へ逆流するのは、下部食道括約筋の働きが弱まり、かつ胃の内圧が食道より高くなったときになる。上体を起こしていれば、重力によって胃の内容物が下方へとどまり、逆流しにくくなる。したがって、食後しばらくは座位または半座位を保つことが、逆流の予防になる。逆に、食後すぐに横になると、胃と食道の高さの差がなくなり、逆流が起こりやすい。就寝時には、上半身を10〜15度程度挙上することも有効になる。
選択肢ごとの確認
仰臥位は、胃と食道がほぼ同じ高さになるため、逆流が起こりやすい体位になる。食後すぐの仰臥位は避ける。
右側臥位は、胃の出口(幽門)が下になるため胃内容の排出は促されるが、胃食道接合部の位置関係から逆流が起こりやすいとされる。逆流の予防という点では、左側臥位の方が有利になる。
半側臥位も、上体が水平に近ければ逆流の予防にはならない。逆流を防ぐには、上体を起こすことが要点になる。
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混同しやすいポイント
「重力を使う」という一点で判断できる。誤肢はいずれも臥位であり、上体が起きていない。なお、臥位の中で比べれば左側臥位が逆流を起こしにくいとされるが、選択肢にあるのは右側臥位と半側臥位であり、いずれも座位に及ばない。設問が「食後30分から1時間程度」と時間を指定しているのは、胃内容が十二指腸へ送られるまでの間を指している。
理解を深める
胃食道逆流症は、逆流によって胸やけ、呑酸、胸痛、慢性の咳、嗄声などをきたす。危険因子には、加齢、肥満、食道裂孔ヘルニア、脂肪の多い食事、過食、飲酒、喫煙、そして前かがみの姿勢がある。生活の指導としては、食後2〜3時間は横にならない、就寝前の食事を避ける、1回の食事量を減らす、脂肪・チョコレート・カフェイン・炭酸飲料・アルコールを控える、禁煙、肥満の改善、腹部を締めつけない、就寝時に上半身を挙上する、が挙げられる。薬物療法では、プロトンポンプ阻害薬が中心になる。看護の場面では、経管栄養を行う患者でとくに重要になる。栄養剤の注入時は上体を30〜45度挙上し、注入後も30分から1時間はその姿勢を保つ。注入速度を守る。注入前の胃内残留量の確認は、現在の栄養管理の指針では毎回の定例の手順としては推奨されておらず、対象と場面によって扱いが異なるため、施設の手順に従う。誤嚥性肺炎の予防という観点からは、口腔ケア、嚥下機能の評価、そして食事の形態の調整もあわせて行う。高齢者や脳血管障害のある患者では、逆流が誤嚥につながりやすく、繰り返す発熱の原因になることがある。
間違えやすい考え方
体位を問う型で、誤肢がすべて臥位である。重力を使うという一点で切る。
5分で振り返る
①上体を起こすと重力により胃内容が下方にとどまり、逆流しにくくなる。②食後30分〜1時間は座位または半座位を保つ。③食後すぐの仰臥位は胃と食道が同じ高さになり逆流しやすい。④臥位の中では左側臥位が逆流を起こしにくい。⑤就寝時は上半身を10〜15度挙上する。⑥経管栄養では注入時に上体を30〜45度挙上し、注入後も30分〜1時間その姿勢を保つ。⑦生活指導=食後2〜3時間は横にならない、就寝前の食事を避ける、脂肪・カフェイン・アルコールを控える、禁煙、肥満の改善、腹部を締めつけない。
1分チェック
- 食後に逆流を防ぐ体位は。→ 座位(上体を起こして重力を使う)。
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