社会保険制度と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
社会保険制度と根拠法令の組合せで正しいものを問う。医療保険と健康保険法である。
この問題で問われていること
5つの社会保険と、それぞれの根拠法令を対応づけられるか。
しくみから理解する
日本の社会保険は5つある。医療保険=健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律など。年金保険=国民年金法、厚生年金保険法。介護保険=介護保険法。雇用保険=雇用保険法。労働者災害補償保険(労災保険)=労働者災害補償保険法。制度名と法令名がほぼ一致するものが多く、医療保険だけが複数の法律にまたがる(被用者は健康保険法、自営業者等は国民健康保険法、75歳以上は高齢者の医療の確保に関する法律)。したがって、医療保険と健康保険法の組み合わせは正しい。
選択肢ごとの確認
介護保険の根拠法令は介護保険法になる。高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律は、虐待の防止と対応を定める法律であり、介護保険の給付を定めるものではない。
雇用保険の根拠法令は雇用保険法になる。社会福祉法は、社会福祉事業の全分野に共通する基本的事項(福祉事務所、社会福祉法人、社会福祉協議会、福祉サービスの利用者の保護など)を定める法律になる。
年金保険の根拠法令は国民年金法と厚生年金保険法になる。生活困窮者自立支援法は、生活保護に至る前の段階の人を支援する制度(自立相談支援事業、住居確保給付金など)を定める法律になる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、実在する法律を、関係のない制度に組み合わせている。それぞれの法律が何を定めるかを知っていれば除外できる。「制度名と法令名がほぼ同じ」という原則が働くため、名前が違うものは疑ってかかる、という判断でも大半は切れる。ただし医療保険だけは例外で、健康保険法という別の名前になる点を押さえておく必要がある。
理解を深める
社会保障制度の全体像を整理する。日本の社会保障は、社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生の4つの柱からなる。社会保険=医療、年金、介護、雇用、労災の5つ。保険料を主な財源とし、給付を受ける権利が保険料の拠出と結びつく。社会福祉=児童、障害者、高齢者、母子・父子などを対象とした支援。児童福祉法、障害者総合支援法、老人福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法など。公的扶助=生活保護法にもとづく最低限度の生活の保障。8つの扶助(生活、住宅、教育、医療、介護、出産、生業、葬祭)があり、医療扶助と介護扶助は現物給付、他は原則として金銭給付になる。公衆衛生=地域保健法、健康増進法、感染症法、母子保健法など。医療保険の給付では、療養の給付(自己負担は原則3割、義務教育就学前は2割、70〜74歳は2割、75歳以上は1割。75歳以上で一定以上の所得がある人は令和4年10月から2割、現役並みの所得がある人は3割)、高額療養費、傷病手当金、出産育児一時金などがある。看護の実務では、患者がどの制度を使えるかを把握し、医療ソーシャルワーカーへつなぐことが支援になる。
間違えやすい考え方
制度と法令の組合せを問う型で、誤肢が実在する別の法律である。制度名と法令名の一致で切る(医療保険だけ例外)。
5分で振り返る
①社会保険は5つ=医療、年金、介護、雇用、労災。②根拠法令=介護保険法、雇用保険法、労働者災害補償保険法、国民年金法・厚生年金保険法。制度名と法令名がほぼ一致する。③医療保険だけ例外で、健康保険法・国民健康保険法・高齢者の医療の確保に関する法律にまたがる。④社会保障の4つの柱=社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生。⑤生活保護は8つの扶助。医療扶助と介護扶助は現物給付。⑥医療保険の自己負担は原則3割、義務教育就学前2割、70〜74歳2割、75歳以上1割。75歳以上で一定以上の所得がある人は令和4年10月から2割、現役並み所得は3割。⑦社会福祉法は社会福祉事業の共通事項を定める法律。
1分チェック
- 医療保険の根拠法令は。→ 健康保険法(ほかに国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律)。
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