輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいものを問う。赤血球成分製剤と2〜6℃である。
この問題で問われていること
血液製剤ごとの保存条件を、その理由とともに覚えているか。
しくみから理解する
血液製剤は、成分ごとに保存の条件が異なる。赤血球成分製剤=2〜6℃で保存し、有効期間は採血後28日間(令和元年に21日間から延長された)。低温で保存することで代謝を抑え、溶血を防ぐ。全血製剤も同じく2〜6℃になる。血小板成分製剤=20〜24℃で振盪しながら保存し、有効期間は採血後4日間。低温では血小板の機能が失われ、静置すると凝集するため、常温での振盪が必要になる。新鮮凍結血漿(血漿成分製剤)=マイナス20℃以下で凍結保存し、有効期間は採血後1年間。使用時に30〜37℃の恒温槽で融解し、融解後は直ちに使用する。やむを得ない場合は2〜6℃で保存し、24時間以内に使用する(2018年の改定による)。
選択肢ごとの確認
血小板成分製剤は2〜6℃ではない。20〜24℃で振盪しながら保存する。冷蔵すると機能が失われる。
血漿成分製剤(新鮮凍結血漿)は20〜24℃ではない。マイナス20℃以下で凍結保存する。
全血製剤は20〜24℃ではない。赤血球成分製剤と同じ2〜6℃になる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
3つの温度帯(冷蔵、常温振盪、冷凍)を、製剤と結びつけて覚える。赤血球と全血=冷蔵(2〜6℃)。血小板=常温で振盪(20〜24℃)。血漿=冷凍(マイナス20℃以下)。血小板だけが常温という点が最も間違えやすく、選択肢もそこを狙っている。有効期間も対で覚えると整理しやすい。血小板が4日と最も短く、赤血球が28日、血漿が1年になる。
理解を深める
輸血の実施に関わる看護を整理する。準備=血液型(ABO式、Rh式)と不規則抗体の検査、交差適合試験。同意書の確認。実施の直前に、複数の医療者で、患者氏名、血液型、製剤の種類、製造番号、有効期限、放射線照射の有無を照合する(照合は患者のもとで行い、患者本人にも名乗ってもらう)。投与=開始から最初の5分間はベッドサイドで観察し、15分後に再度観察する。急性の副作用の多くはこの時間帯に現れるためになる。以後も定期的に観察を続ける。血液製剤には輸血用のフィルター付き回路を用い、他の薬剤と同じ経路から同時に投与しない(とくにカルシウムを含む輸液は凝固を招く)。副作用=即時型では、発熱、蕁麻疹、掻痒感といった軽症のものから、アナフィラキシー、溶血反応(ABO不適合輸血:発熱、腰背部痛、血色素尿、ショック、播種性血管内凝固)、輸血関連急性肺障害、輸血関連循環過負荷がある。遅発型では、遅発性溶血反応、輸血後移植片対宿主病(放射線照射により予防する)、輸血後感染症がある。異常を認めたら直ちに輸血を中止し、静脈路を確保したまま生理食塩液に切り替えて、医師へ報告する。製剤と患者の血液を検査に提出する。記録は、製造番号を含めて20年間保存することが定められている。
間違えやすい考え方
保存条件を問う型で、誤肢が温度帯を入れ替えている。血小板だけ常温振盪という点で切る。
5分で振り返る
①赤血球成分製剤と全血製剤=2〜6℃で保存、有効期間は採血後28日間(令和元年に21日間から延長)。②血小板成分製剤=20〜24℃で振盪しながら保存、有効期間は採血後4日間。冷蔵すると機能が失われる。③新鮮凍結血漿=マイナス20℃以下で凍結、有効期間1年。30〜37℃で融解し、直ちに使用する。やむを得ない場合は2〜6℃で24時間以内。④実施直前に患者のもとで複数の医療者が照合する。⑤開始から5分はベッドサイドで観察し、15分後にも観察する。⑥ABO不適合輸血=発熱、腰背部痛、血色素尿、ショック、播種性血管内凝固。⑦輸血後移植片対宿主病は放射線照射で予防する。記録は20年間保存する。
1分チェック
- 赤血球成分製剤の保存温度は。→ 2〜6℃(血小板は20〜24℃で振盪、血漿はマイナス20℃以下)。
この問題に対応する教材の確認中です。