1歳6か月の身体発育曲線(体重)を示す。 異常が疑われるのはどれか。
公式正答:3
解説
1歳6か月の身体発育曲線(体重)の図から、異常が疑われるものを選ぶ。公式正答は③である。
この問題で問われていること
発育曲線を、点ではなく線として読めるか。
しくみから理解する
身体発育曲線は、乳幼児身体発育調査にもとづくパーセンタイル曲線で、3、10、25、50、75、90、97パーセンタイルの線が引かれている。評価の要点は、①1回の測定値がどの範囲にあるか(3パーセンタイル未満または97パーセンタイルを超える場合は要精密検査の対象になる)だけでなく、②曲線に沿って伸びているか、という2点になる。とくに重要なのは②で、これまで曲線に沿っていた子が、途中から曲線を横切って下方へ外れていく場合(成長曲線からの逸脱)は、疾患、栄養の不足、あるいは不適切な養育の可能性を示す。逆に、小さめでも曲線に沿って伸びていれば、その子の成長として問題がないことが多い。
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混同しやすいポイント
「3パーセンタイル未満なら異常」と点だけで判断すると誤る。小さめでも曲線に沿って伸びていれば経過をみてよく、逆に範囲内でも急に伸びが鈍って曲線を横切って下がっていれば問題になる。線として読む、という視点がこの設問の核心になる。体重が減少している、あるいは横ばいが続いているパターンは、いずれの年齢でも注意を要する。
理解を深める
乳幼児の発育の評価を整理する。指標=身長、体重、頭囲、胸囲。カウプ指数(体重kg÷身長mの2乗。乳幼児に用い、15〜19が標準の目安)、パーセンタイル曲線、そして標準偏差(SD)による評価がある。学童ではローレル指数(体重kg÷身長cmの3乗×10の7乗。130前後が標準)を用いることもあるが、現在は肥満度による評価が一般的になっている。頭囲は、脳の発育と水頭症、小頭症の把握に重要で、大泉門の閉鎖(1歳から1歳6か月頃)とあわせて確認する。体重増加不良の原因=摂取不足(授乳量の不足、授乳の方法、離乳の進み方、食欲不振)、吸収不良(消化器疾患、食物アレルギー)、消費の増加(先天性心疾患、慢性感染症、内分泌疾患)、そして心理社会的要因(養育環境、ネグレクト)になる。乳幼児健康診査(1歳6か月児、3歳児は法定)では、身体の計測に加えて、発達、栄養、歯、予防接種、そして養育環境を総合的に評価する。看護では、数値だけを伝えるのではなく、保護者の育児への不安や困りごとを聞き取り、必要に応じて支援につなぐことが役割になる。数値の逸脱は、その家庭が抱える困難のサインであることもある。
間違えやすい考え方
図から読み取る型で、点ではなく線として読むという原則で判断できる。図中のどの推移が正答③かは別冊で要確認。
5分で振り返る
①身体発育曲線は3〜97パーセンタイルの線で示される。②評価は、①値がどの範囲にあるかと、②曲線に沿って伸びているかの2点。とくに後者が重要。③曲線を横切って下方へ外れる(逸脱する)場合は、疾患・栄養不足・養育の問題を疑う。④小さめでも曲線に沿っていれば経過をみてよい。⑤3パーセンタイル未満または97パーセンタイル超は要精密検査の対象。⑥体重増加不良の原因=摂取不足、吸収不良、消費の増加、心理社会的要因。⑦カウプ指数は乳幼児(15〜19が標準の目安)、大泉門の閉鎖は1歳〜1歳6か月頃。
1分チェック
- 発育曲線で異常を疑うのは。→ 曲線を横切って下方へ外れていくパターン(点ではなく線で読む)。
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