幼児期の心理社会的特徴はどれか。
公式正答:1
解説
幼児期の心理社会的特徴を問う。自己中心性である。
この問題で問われていること
発達段階ごとの心理社会的特徴を、用語と対応づけられるか。
しくみから理解する
自己中心性は、ピアジェが前操作期(2〜7歳頃)の特徴として挙げたものになる。自分の視点からしか物事を捉えられず、他者が自分と違う見え方や考えを持つことを理解しにくい状態を指す。わがままという意味ではなく、認知の発達段階としての特性になる。関連して、この時期には、アニミズム(物にも心があると考える)、実念論(思考、名前、夢といった心的なものと、物理的な現実を区別できない。なお「思ったことが現実になる」と考えるのは魔術的思考という別の概念)、そして象徴機能の発達(ごっこ遊び、言葉の獲得)がみられる。病気や入院を「悪いことをした罰」と受け取ることがあるのも、この認知の特性による。
選択肢ごとの確認
心理的離乳は、青年期の特徴になる。親からの精神的な自立を求め、親の価値観から離れて自分の考えを持とうとする過程を指す。ホリングワースが提唱した。
ギャングエイジは、学童期の後半(9〜12歳頃)の特徴になる。同性の仲間で閉鎖的な集団をつくり、その集団の規範を大切にする時期を指す。仲間との関係を通じて、社会性、役割、そしてルールを学ぶ。
ボディイメージの変容は、思春期の特徴になる。第二次性徴による身体の急激な変化に伴い、自分の身体への関心と、それを受け入れる過程が課題となる。摂食障害の背景にもなる。
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混同しやすいポイント
誤肢はすべて、幼児期より後の発達段階の特徴になっている。「自己中心性=幼児期」「ギャングエイジ=学童期後半」「心理的離乳とボディイメージの変容=青年期・思春期」という対応を持てば、すべて区別できる。発達段階の用語は、提唱者と段階をセットで覚えると混同しにくい。
理解を深める
幼児期の心理社会的な発達を整理する。エリクソンの枠組みでは、幼児前期(1〜3歳)は自律性対恥・疑惑になる。排泄の自立をはじめ、自分でやろうとする気持ちが芽生え、それを認められることで自律性が育つ。第一反抗期(イヤイヤ期)はこの表れになる。幼児後期(3〜6歳)は自主性対罪悪感で、自分から目的を持って行動しようとする時期になる。ピアジェの前操作期の特徴としては、自己中心性、アニミズム、保存の概念の未成立(見た目が変わると量も変わったと考える)が挙げられる。看護への応用としては、①病気や処置の説明を、その子が理解できる言葉と方法で行う(絵、人形、遊びを用いたプレパレーション)、②「悪い子だから」という誤解を解く、③自分でできることは自分でしてもらい、達成感を持てるようにする、④遊びの機会を保つ、⑤退行(おねしょ、指しゃぶり、甘え)を叱らずに受け止める、が挙げられる。また、幼児は時間の概念が未熟なため、「あとで」「少し」といった表現より、「3回寝たら」「この番組が終わったら」といった具体的な表現が伝わりやすい。恐怖の対象も年齢によって異なり、幼児では身体を傷つけられることや、親と離れることへの不安が強い。
間違えやすい考え方
発達段階の特徴を問う型で、誤肢がすべて後の段階のものである。用語と段階の対応で切る。
5分で振り返る
①自己中心性はピアジェの前操作期(2〜7歳)の特徴。自分の視点からしか物事を捉えられない。②同時期の特徴=アニミズム、実念論(心的なものと物理的な現実を区別できない。「思ったことが現実になる」と考える魔術的思考とは別)、象徴機能の発達(ごっこ遊び)。③病気や入院を「罰」と受け取ることがあるのはこの認知の特性による。④心理的離乳は青年期(親からの精神的自立)。⑤ギャングエイジは学童期後半(9〜12歳。同性の閉鎖的な仲間集団)。⑥ボディイメージの変容は思春期(第二次性徴に伴う)。⑦エリクソンでは幼児前期が自律性対恥・疑惑、幼児後期が自主性対罪悪感。
1分チェック
- 幼児期の心理社会的特徴は。→ 自己中心性(自分の視点からしか捉えられない認知の特性)。
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