排卵のある正常な月経周期で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
排卵の引き金は、エストロゲンが一定以上に高まったときに起こるLHサージ。普段の負のフィードバックが、このときだけ正に切り替わる。
この問題で問われていること
月経周期のホルモン変動を、フィードバックの向きまで含めて説明できるか。卵胞期と黄体期で何が出るかを区別できるか。
しくみから理解する
卵胞期には下垂体からのFSHで卵胞が発育し、卵胞の顆粒膜細胞からエストロゲンが分泌される。エストロゲンは通常、視床下部と下垂体に負のフィードバックをかけてゴナドトロピンを抑えている。しかし卵胞が成熟してエストロゲンが一定の濃度を一定時間以上超えると、フィードバックが正に転じ、下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が大量に放出される。これがLHサージで、その約36時間後に排卵が起こる。排卵後の卵胞は黄体になり、プロゲステロンとエストロゲンを分泌する。プロゲステロンは子宮内膜を分泌期に変え、基礎体温を上げる。妊娠が成立しなければ黄体は約14日で退縮し(白体)、ホルモンが下がって月経が始まる。 【接地元】ガイトン生理学 女性の生理機能と女性ホルモン、三年解剖学総まとめ(女性生殖器)
選択肢ごとの確認
黄体の寿命は約14日。この長さがほぼ一定なので、黄体期は周期の長短にかかわらず約14日で、周期の違いは卵胞期の長さで生じる。
エストロゲンは子宮内膜を厚くする(増殖期)。分泌期に変えるのはプロゲステロン。名前のとおり「増殖」がエストロゲン、「分泌」がプロゲステロン。
発育中の卵胞の顆粒膜細胞が出すのはエストロゲン。プロゲステロンを出すのは排卵後の黄体。時期が違う。
成熟卵胞からのエストロゲンが高濃度で持続すると正のフィードバックに転じ、LHサージが起こって排卵に至る。
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混同しやすいポイント
ホルモンのフィードバックは負が原則だが、月経周期の排卵前だけは正に転じる。この例外を知らないと4を選べない。内分泌で正のフィードバックが働く場面はほかに分娩時のオキシトシンがあり、いずれも「一気に進めたい」場面である。
理解を深める
黄体期が約14日で一定という事実は、排卵日の推定に使える。周期が28日なら排卵は14日目ごろ、35日なら21日目ごろになる。基礎体温では、排卵後にプロゲステロンの作用で高温相に入るので、低温相から高温相へ移る時期が排卵の目安になる(第110回午後 問75で問われている)。ただし基礎体温は排卵を事後的に確認する方法であって、事前に予測するものではない。妊娠が成立すると絨毛からhCGが分泌され、黄体が維持されて(妊娠黄体)プロゲステロンが出続けるため、高温相が続き月経が来ない。
間違えやすい考え方
時期(卵胞期/黄体期)とホルモン、作用を1つずつずらして誤肢を作る型。周期の図を1枚頭に入れて、各時期に何が出て何が起こるかを言えるようにしておく。
5分で振り返る
卵胞期=FSHで卵胞が発育→顆粒膜細胞からエストロゲン→子宮内膜が増殖期。エストロゲンが高濃度で持続→正のフィードバック→LHサージ→約36時間後に排卵。黄体期=黄体からプロゲステロン(とエストロゲン)→子宮内膜が分泌期・基礎体温上昇。黄体の寿命は約14日で一定。妊娠しなければ退縮し月経。妊娠すればhCGが黄体を維持する。
1分チェック
- 排卵の引き金となるのは何か
- 黄体の寿命はどのくらいか
- 子宮内膜を増殖期・分泌期にするのはそれぞれ何か
- 正のフィードバックが働く場面をほかに挙げられるか
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