A さん(80 歳、女性)は1人暮らしで、在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。訪問 看護師はA さんに停電時を想定した避難行動の指導を行うことにした。 A さんの停電時の避難行動で優先度が高いのはどれか。
公式正答:4
解説
在宅酸素療法を受けている80歳女性への、停電時を想定した避難行動の指導で優先度が高いものを問う。酸素濃縮器から酸素ボンベに切り替えることである。
この問題で問われていること
電源が失われたときに、まず何を確保するかを判断できるか。
しくみから理解する
酸素濃縮器は、室内の空気から窒素を取り除いて高濃度の酸素を作る装置で、電気で動く。停電すれば直ちに停止し、酸素の供給が絶たれる。したがって、まず行うべきは、電源を要しない酸素ボンベへの切り替えになる。切り替えの手順は、日頃から練習しておく必要がある。あわせて、ボンベの残量を定期的に確認すること、予備のボンベを備えること、そして業者と医療機関の緊急連絡先を手元に置くことも、備えに含まれる。
選択肢ごとの確認
電気のブレーカーを落とすことは、通電火災の防止として意味のある行動になる。ただし、停電の直後に最も優先されるのは、生命の維持に直結する酸素の確保になる。順序としては後になる。
玄関の扉を開けて出口を確保することも、地震の際には有効な行動になる。ただし、この設問は停電時の対応を問うており、また酸素の供給が絶たれている状態では、避難よりも先に酸素を確保する必要がある。
訪問看護ステーションへの連絡も必要だが、まず酸素を確保してから行う。連絡している間に低酸素血症が進めば、意識障害を招く。
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混同しやすいポイント
「生命の維持に直結するものを最優先する」という原則で判断する。誤肢はいずれも、状況によっては必要な行動だが、酸素が止まっている状態では順序が後になる。優先度を問う設問では、それぞれの行動が「どれだけ速く生命に影響するか」で並べる。
理解を深める
在宅酸素療法の管理と災害への備えを整理する。日常の管理=処方された流量を守る(自己判断で増減しない。とくに二酸化炭素が高い患者では高流量が危険になる)、火気厳禁(酸素は支燃性。喫煙、ガスコンロ、ストーブ、仏壇のろうそくから2m以上離す)、チューブの屈曲と外れの確認、加湿器の水の交換、フィルターの清掃、そして皮膚(耳介、鼻)の圧迫の観察。外出=携帯用のボンベまたは液化酸素を用いる。残量の計算方法を伝える。旅行と移動の際は、事前に業者へ相談する。災害への備え=酸素ボンベの予備、切り替えの手順の練習、業者と医療機関の連絡先、電力会社への登録、避難行動要支援者名簿への登録、そして個別避難計画の作成。停電が長引く場合は、業者へ連絡してボンベの補充を依頼するか、医療機関への避難を検討する。看護では、これらを一度説明するだけでなく、実際に手順を一緒に行い、定期的に確認することが重要になる。高齢の単身の療養者では、日頃から近隣との関係をつくり、安否を確認してもらえる体制を整えることも支援に含まれる。
間違えやすい考え方
優先度を問う型で、誤肢が状況によっては必要だが順序が後の行動である。生命への影響の速さで切る。
5分で振り返る
①酸素濃縮器は電気で動くため、停電で直ちに停止する。②まず電源を要しない酸素ボンベへ切り替える。手順は日頃から練習しておく。③ボンベの残量の確認と予備の備蓄、業者と医療機関の緊急連絡先を手元に置く。④ブレーカーを落とすことは通電火災の防止として意味があるが、順序は後。⑤連絡は酸素を確保してから行う。⑥日常の管理=流量を守る、火気から2m以上離す、チューブの屈曲と外れの確認、皮膚の圧迫の観察。⑦電力会社への登録、避難行動要支援者名簿への登録、個別避難計画の作成。
1分チェック
- 在宅酸素療法中の停電では、まず。→ 酸素ボンベに切り替える(濃縮器は電気で動く)。
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