定期予防接種について正しいのはどれか。
公式正答:5
解説
定期予防接種について正しいものを問う。ヒトパピローマウイルスワクチンは筋肉内注射する、である。
この問題で問われていること
ワクチンの種類、接種の方法、そして制度の現状を正確に覚えているか。
しくみから理解する
ヒトパピローマウイルスワクチンは、筋肉内注射で接種する。日本で使用されるワクチンの多くは皮下注射だが、このワクチンと、新型コロナウイルスワクチン、そして一部のワクチンは筋肉内注射になる。筋肉内注射は、局所の反応が少なく、免疫の誘導が良好とされる。接種の部位は三角筋になる。定期接種の対象は、小学校6年生から高校1年生相当の女子で、標準的には中学校1年生の間に接種する。2013年から積極的な勧奨が差し控えられていたが、2022年4月に再開され、あわせてキャッチアップ接種も実施された。
選択肢ごとの確認
BCG接種前にツベルクリン反応は実施しない。かつては行われていたが、2005年の制度改正により、乳児(生後1歳に至るまで、標準的には生後5〜8か月)への直接接種となった。ツベルクリン反応検査は、結核感染の診断の目的で用いられる。
ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンではなく、生ワクチンになる。経口で投与する点も特徴で、1価は2回、5価は3回接種する。初回接種は生後14週6日までに行う(腸重積症のリスクを考慮した規定になる)。2020年10月から定期接種になった。
ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止されていない。2012年に、経口生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンへ切り替えられ、現在は四種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)または五種混合ワクチン(これにヒブを加えたもの)として接種される。
麻疹ウイルスワクチンは、就学までに4回ではなく2回接種する。麻疹風疹混合ワクチンとして、第1期(生後12〜24か月)と第2期(小学校就学前の1年間)の計2回になる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、廃止された手順(ツベルクリン反応)、ワクチンの種類の取り違え(ロタは生ワクチン)、制度の誤り(ポリオの廃止)、そして回数の誤り(麻疹4回)で構成されている。予防接種は制度の変更が多い分野であり、古い知識のままだと誤る。生ワクチンと不活化ワクチンの区別、接種の回数、そして接種の経路(皮下、筋肉内、経口)を、最新の情報で整理しておく必要がある。
理解を深める
定期予防接種を整理する。A類疾病(集団予防、努力義務あり、公費)=ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス(経口・生)、四種混合(出題当時の令和5年2月の枠組み。五種混合の定期接種への導入は令和6年4月から)、BCG(生)、麻疹風疹混合(生)、水痘(生)、日本脳炎、ヒトパピローマウイルス。B類疾病(個人予防、努力義務なし)=高齢者のインフルエンザ、高齢者の肺炎球菌。令和6年度からは、高齢者等を対象とする新型コロナウイルス感染症が加わっている。生ワクチン=BCG、麻疹風疹混合、水痘、ロタウイルス、おたふくかぜ(任意)。不活化ワクチン=それ以外の大半。接種の間隔=注射生ワクチンどうしは27日以上あける。それ以外の組み合わせには制限がない(同時接種も可能)。禁忌=明らかな発熱(37.5℃以上)、重篤な急性疾患、そのワクチンの成分によるアナフィラキシーの既往、明らかな免疫不全(生ワクチン)、妊娠(生ワクチン)。看護では、接種前の問診と体調の確認、接種後の観察(30分程度は院内または近くで待機し、アナフィラキシーと血管迷走神経反射に備える)、副反応の説明、そして母子健康手帳への記録が実務になる。接種をためらう保護者には、情報を押しつけるのではなく、不安の内容を聞き取り、正確な情報を提供する姿勢が求められる。
間違えやすい考え方
制度と方法を問う型で、誤肢が古い手順・種類の取り違え・回数の誤りである。最新の情報で整理して切る。
5分で振り返る
①ヒトパピローマウイルスワクチンは筋肉内注射(三角筋)。日本のワクチンの多くは皮下注射なので例外として押さえる。②対象は小学校6年生〜高校1年生相当の女子。2022年4月に積極的勧奨が再開された。③BCGは1歳に至るまで(標準は生後5〜8か月)に直接接種する。ツベルクリン反応は行わない。④ロタウイルスワクチンは経口の生ワクチン。初回は生後14週6日までに。⑤ポリオは2012年に不活化へ切り替わり、出題当時(令和5年2月)は四種混合に含まれていた。五種混合の定期接種への導入は令和6年4月から。⑥麻疹風疹混合は第1期(生後12〜24か月)と第2期(就学前1年)の2回。⑦注射生ワクチンどうしは27日以上あける。それ以外の間隔の制限はない。
1分チェック
- ヒトパピローマウイルスワクチンの接種の方法は。→ 筋肉内注射(三角筋)。
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