クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
公式正答:2・5
解説
クリニカルパスについて正しいものを2つ選ぶ。医療者と患者が治療計画を共有できること、および一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながることである。
この問題で問われていること
クリニカルパスの目的と効果を説明できるか。
しくみから理解する
クリニカルパスは、特定の疾患や治療について、標準的な経過を時間軸に沿って示した計画表になる。医療者用と患者用の2種類が作られ、患者用のパスを用いることで、いつ何が行われ、どこまで回復していればよいかを、患者と家族が理解できる。これにより、患者は見通しを持って治療に参加できる。また、標準化により、担当者による差が減り、根拠にもとづくケアが確実に行われるため、一定の質が保たれる。あわせて、在院日数の短縮、コストの適正化、そして多職種の連携の促進という効果も期待される。
選択肢ごとの確認
在宅療養にも適用できる。地域連携クリニカルパスは、急性期の病院から回復期の病院、そして在宅までを通した経過を示すもので、脳卒中、大腿骨頸部骨折、がんなどで用いられている。関わる施設と職種の間で情報を共有し、切れ目のない医療を提供することを目的とする。
バリアンス(標準的な経過からの逸脱)の判断は、退院日ではなく、経過の中で随時行う。日々の目標(アウトカム)が達成されているかを確認し、達成されていなければバリアンスとして記録し、原因を分析して対応する。退院日にまとめて判断するのでは、対応が遅れる。
多職種間のコミュニケーションは不要にならない。パスは共通の枠組みを提供するが、個々の患者の状態は異なるため、情報の共有と話し合いは引き続き必要になる。むしろ、共通の指標があることで、議論の焦点が明確になり、連携が促される。
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混同しやすいポイント
誤肢は、適用の範囲(在宅にも使える)、バリアンスの判断の時期(随時)、そして連携の要否(不要にならない)という3点で誤っている。標準化の道具であって、思考停止の道具ではない、という理解が要点になる。パスから外れる患者がいるのは当然であり、その逸脱を捉えて個別に対応することが、パスを使う意義の一つになる。
理解を深める
クリニカルパスの実際を整理する。構成=縦軸に項目(達成目標、治療、検査、処置、活動、食事、清潔、教育・指導)、横軸に時間(術前、手術当日、術後1日……)を置いた表になる。アウトカム=各時点で達成すべき状態を明記する(例:術後1日に病棟内を歩行できる)。バリアンス=アウトカムが達成されない状態。原因は、患者側(合併症、既往、理解の困難)、医療者側(手技、判断、連携)、施設側(設備、人員、検査の待ち)、そして社会的要因(退院先の調整)に分けて分析する。バリアンスを集計して分析することで、パスそのものの改善につながる。導入の効果=標準化による質の向上、在院日数の適正化、コストの把握、患者の理解と参加、そして新人教育の道具としての活用。留意点=すべての患者に当てはめようとしない(併存疾患が多い患者、高齢者、複雑な経過の患者には適さないことがある)。個別性を切り捨てないこと。そして、パスに書かれていないことをしない、という運用にならないようにすること。看護師は、パスに沿って進めながら、その患者に固有の反応と課題を捉え、必要に応じて個別の看護計画を追加する。
間違えやすい考え方
内容を2つ選ぶ型で、誤肢が適用範囲・判断の時期・連携の要否で誤っている。標準化の道具という理解で切る。
5分で振り返る
①クリニカルパスは、標準的な経過を時間軸に沿って示した計画表。医療者用と患者用がある。②患者用により、患者と家族が見通しを持って治療に参加できる。③標準化により担当者による差が減り、一定の質が保たれる。④地域連携クリニカルパスにより在宅までを通した経過も共有できる。⑤バリアンス(標準からの逸脱)の判断は経過の中で随時行う。退院日にまとめてではない。⑥バリアンスの原因は患者側・医療者側・施設側・社会的要因に分けて分析し、パスの改善につなげる。⑦多職種の連携は不要にならない。個別性を切り捨てない。
1分チェック
- クリニカルパスは。→ 患者と計画を共有できる/一定の質を保てる。
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