次の文を読み、問いに答えよ。Aさん(34歳、初産婦)は妊娠39週6日に3,000gの女児を出産した。分娩後の母児の経過は順調である。出生後12時間、看護師がAさんの児の観察を行った。児は活気がありバイタルサインは安定しており、排便が認められた。直接授乳を開始している。出生後の排尿回数は4回、排便回数は3回である。
便の写真(別冊No. 2)を別に示す。 このときのA さんの児の便はどれか。
公式正答:2
解説
出生後12時間、排便が3回認められた新生児の便を写真から選ぶ。公式正答はBである。
この問題で問われていること
新生児の便が、どのように変化していくかを知っているか。
しくみから理解する
新生児の便は、時間とともに性状が変わる。胎便=出生後24時間以内(多くは12時間以内)に排泄される。暗緑色から黒色で、粘稠、無臭に近い。胎児期に飲み込んだ羊水、腸の分泌物、胆汁、そして脱落した上皮からなる。移行便=生後2〜4日頃。哺乳が始まり、胎便と乳汁由来の便が混じった、緑褐色から黄緑色の便になる。乳便(普通便)=生後4〜5日頃から。母乳栄養では、黄色から山吹色で、水分が多く、酸臭のある軟便になり、1日に数回から10回程度みられる。人工乳栄養では、やや硬く、淡黄色から黄褐色で、においが強くなる。出生後12時間という時点は、胎便の時期にあたる。
選択肢ごとの確認
該当しない性状の便になる。移行便や乳便が並べられている。
同様に該当しない。
同様に該当しない。
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混同しやすいポイント
「出生後12時間=胎便」という時間と性状の対応を押さえれば、写真がなくても判断できる。胎便の排泄が24時間を過ぎても認められない場合は、鎖肛、ヒルシュスプルング病、胎便性イレウス、そして甲状腺機能低下症などを疑い、精査が必要になる。逆に、胎児期に胎便が排泄されると羊水が混濁し、出生時に胎便吸引症候群のリスクが高まる。
理解を深める
新生児の生理的変化を整理する。体重=生後3〜5日頃に、出生体重の5〜10%程度減少し(生理的体重減少)、生後7〜10日頃に出生体重に戻る。10%を超える減少は、哺乳量の不足を疑う。体温=出生直後は環境の影響を受けやすく、低体温になりやすい。保温が重要になる。皮膚=生後2〜3日から黄疸が現れ、4〜5日頃にピークとなり、7〜10日頃に消退する(生理的黄疸)。生後24時間以内に出現する黄疸(早発黄疸)は、血液型不適合などによる病的黄疸を疑う。呼吸=40〜60回/分、腹式呼吸、周期性呼吸がみられる。心拍=120〜160回/分。排尿=生後24時間以内に第1回目の排尿がある。魔乳(母体ホルモンによる乳房の腫大と分泌)、新生児月経(女児の少量の性器出血)、落屑は生理的にみられうる。一方、ビタミンK欠乏などによる新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症は病的で、消化管出血等を認めたら速やかな評価を要する。原始反射=モロー反射、把握反射、吸啜反射、探索反射、緊張性頸反射、バビンスキー反射、そして自動歩行。それぞれ消失する時期が決まっており、残存や欠如は神経系の異常を示唆する。看護では、これらの生理的な変化を家族に説明し、不安を和らげることも重要になる。「便が緑色で心配」「乳房が腫れている」といった訴えに、生理的な現象であることを伝えられると、家族の安心につながる。
間違えやすい考え方
写真から選ぶ型で、時間と便の性状の対応で判断できる。写真中のどれが正答Bかは別冊で要確認。
5分で振り返る
①胎便=出生後24時間以内(多くは12時間以内)に排泄。暗緑色から黒色、粘稠、無臭に近い。②移行便=生後2〜4日頃。緑褐色から黄緑色。③乳便=生後4〜5日頃から。母乳では黄色から山吹色、水分が多く酸臭のある軟便。④24時間を過ぎても胎便が出なければ、鎖肛、ヒルシュスプルング病、胎便性イレウス、甲状腺機能低下症を疑う。⑤生理的体重減少は5〜10%で、7〜10日頃に出生体重へ戻る。10%超は哺乳不足を疑う。⑥生理的黄疸は生後2〜3日から出現し4〜5日でピーク。24時間以内の黄疸は病的。⑦生後24時間以内に第1回目の排尿がある。
1分チェック
- 出生後12時間の便は。→ 胎便(暗緑色から黒色、粘稠)。
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