看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない と規定している法律はどれか。
公式正答:3
解説
看護師は正当な理由がなく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律を問う。保健師助産師看護師法である。
この問題で問われていること
職種ごとの守秘義務が、どの法律に定められているかを区別できるか。
しくみから理解する
保健師助産師看護師法は、保健師、看護師、准看護師の守秘義務を定める。「保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなった後においても、同様とする」と規定され、資格を失った後も義務が続く点が特徴になる。違反すると、6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金に処せられ、これは親告罪(被害者の告訴が必要)になる。なお、助産師の守秘義務は、この法律ではなく刑法に定められている。
選択肢ごとの確認
刑法は、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人、そしてこれらの職にあった者の秘密漏示について定める。看護師はこの列挙に含まれていないため、保健師助産師看護師法で別に規定されている。助産師だけが刑法の対象である点が、この分野の混乱しやすい部分になる。
医療法は、医療提供体制について定める法律で、病院と診療所の定義、人員と構造設備の基準、医療計画、医療安全の確保、そして広告の規制などを規定する。個々の医療者の守秘義務を定めるものではない。
看護師等の人材確保の促進に関する法律は、看護職員の確保と資質の向上を図るための法律になる。基本指針の策定、都道府県ナースセンターと中央ナースセンターの指定、そして離職時の届出制度などを規定する。この法律にも、都道府県ナースセンターの役員や職員などが職務上知り得た秘密を漏らしてはならないという規定は置かれている。ただしそれは主体を限った規定であり、看護師が業務上知り得た秘密についての守秘義務を定めるものではない。
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混同しやすいポイント
「看護師=保健師助産師看護師法」「助産師=刑法」という切り分けが要点になる。歴史的な経緯によるもので、理屈で導けるものではないため、そのまま覚える。守秘義務は、資格を失った後も続くこと、そして「正当な理由」があれば例外となることも押さえる。
理解を深める
看護に関わる法律を整理する。保健師助産師看護師法=定義(保健師、助産師、看護師、准看護師)、免許(籍への登録、欠格事由)、業務独占と名称独占、業務範囲(療養上の世話と診療の補助)、特定行為に係る研修制度、守秘義務(助産師を除く)、そして罰則。看護師等の人材確保の促進に関する法律=人材の確保、ナースセンター、離職時の届出。医療法=医療提供体制。医師法=医師の業務と義務(応召義務、診断書の交付、処方箋の交付、療養方法の指導、診療録の記載と5年間の保存)。守秘義務の「正当な理由」=法令にもとづく場合(感染症の届出、児童虐待の通告、麻薬中毒者の届出、公務所からの照会)、本人の同意がある場合、そして生命・身体の保護に必要で本人の同意を得ることが困難な場合など。とくに児童虐待の通告は、守秘義務よりも通告の義務が優先されると法に明記されている。実務での注意=エレベーターや廊下での会話、記録の取り扱い、電子端末の管理、そして施設の外での話。SNSへの投稿は、たとえ患者名を伏せていても、特定につながる情報が含まれれば守秘義務違反になる。学生と新人の教育でも、繰り返し扱われる重要な点になる。
間違えやすい考え方
根拠法令を問う型で、誤肢が別の目的の法律である。看護師=保健師助産師看護師法、助産師=刑法で切る。
5分で振り返る
①看護師・保健師・准看護師の守秘義務は保健師助産師看護師法に規定される。②助産師の守秘義務は刑法(秘密漏示罪)に規定される。③資格を失った後も義務は続く。④違反は親告罪で、6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金。⑤「正当な理由」の例=法令にもとづく届出と通告、本人の同意、生命・身体の保護に必要で同意を得難い場合。⑥児童虐待の通告は守秘義務より優先されると法に明記されている。⑦医療法は医療提供体制、人材確保法はナースセンターと離職時の届出を定める。
1分チェック
- 看護師の守秘義務を定めるのは。→ 保健師助産師看護師法(助産師は刑法)。
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