エリクソン Erikson, E. H. が提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題は どれか。
公式正答:3
解説
エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題を問う。勤勉性対劣等感である。
この問題で問われていること
8つの段階と課題を、順に対応づけられるか。
しくみから理解する
エリクソンは、生涯を8つの段階に分け、各段階に達成すべき課題(危機)を対置した。乳児期=基本的信頼対不信。幼児前期=自律性対恥・疑惑。幼児後期(遊戯期)=自主性対罪悪感。学童期=勤勉性対劣等感。青年期=同一性対同一性拡散。成人前期=親密性対孤立。成人期(壮年期)=生殖性(世代性)対停滞。老年期=統合性対絶望。学童期は、学校生活の中で、課題に取り組み、やり遂げることを通じて勤勉性が育つ時期になる。うまくいかない体験が重なると、劣等感が優位になる。
選択肢ごとの確認
親密対孤立は、成人前期の課題になる。他者と深い関係を結べるかが問われる時期で、それができないと孤立に陥る。
自律性対恥・疑惑は、幼児前期の課題になる。排泄の自立をはじめ、自分でやろうとする気持ちが認められることで自律性が育つ。
自我同一性の確立対拡散は、青年期の課題になる。自分は何者かという問いに向き合い、社会の中での自分の位置を見出す時期になる。
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混同しやすいポイント
8段階を順に暗記し、とくに前後の段階と取り違えないようにする。学童期の前が幼児後期(自主性対罪悪感)、後が青年期(同一性対拡散)になる。誤肢は、幼児前期、青年期、成人前期の課題になる。このうち学童期に隣接するのは青年期だけで、幼児前期と成人前期はいずれも2段階離れている。「勤勉性=学校で学び、やり遂げる」という結びつきを持てば迷わない。
理解を深める
発達段階の理論を、看護への応用とともに整理する。エリクソンの意義は、発達が生涯にわたって続くと捉えた点にある。各段階の課題は、達成できなければ次へ進めないという固定的なものではなく、後の段階でも取り組み直せると考えられている。看護への応用=①その人がどの段階にあり、何が課題かを理解する、②疾患と入院が、その課題の達成を妨げていないかを見る、③課題の達成を支える関わりを考える。例=学童期の子どもが入院した場合、学業の遅れ、友人との関係の断絶、そして「できないこと」の増加が、劣等感につながりうる。院内学級、遊びと学習の機会、できることを自分で行ってもらうこと、そして達成を具体的に認めることが支援になる。青年期では、外見の変化、進路への不安、そして自立の妨げが課題になる。プライバシーの確保、意思決定への参加、そして同年代との交流の機会が重要になる。老年期では、これまでの人生を振り返り、意味づける作業(ライフレビュー)が課題の達成につながる。話を聞くこと、その人の歴史に関心を向けることが、そのまま看護になる。
間違えやすい考え方
段階と課題を対応づける型で、誤肢が学童期の前後にある段階の課題から選ばれている。隣接するものも、2段階離れたものもある。8段階を順に押さえて切る。
5分で振り返る
①エリクソンの8段階=乳児期(基本的信頼対不信)、幼児前期(自律性対恥・疑惑)、幼児後期(自主性対罪悪感)、学童期(勤勉性対劣等感)、青年期(同一性対同一性拡散)、成人前期(親密性対孤立)、成人期(生殖性対停滞)、老年期(統合性対絶望)。②学童期は、課題に取り組みやり遂げることで勤勉性が育つ。③うまくいかない体験が重なると劣等感が優位になる。④発達は生涯続き、課題は後の段階でも取り組み直せる。⑤入院した学童では、学業の遅れと友人関係の断絶が劣等感につながりうる。⑥青年期では外見の変化、進路、自立の妨げが課題になる。⑦老年期のライフレビュー(人生の振り返りと意味づけ)は統合性の達成を支える。
1分チェック
- 学童期の課題は。→ 勤勉性対劣等感。
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