副交感神経の作用で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
交感神経と副交感神経の作用を器官ごとに反対向きに並べられるかを問う基本問題。副交感は「休んで消化する」方向に働く。
この問題で問われていること
自律神経の二重支配と拮抗支配。選択肢の3つが交感神経の作用なので、1つだけ違うものを選ぶ形になっている。
しくみから理解する
副交感神経の節後線維は、標的器官の壁内にある神経節、または器官のすぐ近くにある終末神経節(毛様体神経節、翼口蓋神経節、耳神経節、顎下神経節)から出て、アセチルコリンを放出し、ムスカリン受容体に作用する。いずれも節が標的の近くにあるため節後線維は短い。消化管では腸管神経系を介して蠕動運動を高め、消化腺の分泌を増やす。眼では瞳孔括約筋を収縮させて縮瞳し、毛様体筋を収縮させて水晶体を厚くする(近くを見る)。気管支平滑筋は収縮し、心臓では洞房結節に働いて心拍数を下げる。交感神経はこれらの逆で、瞳孔散大筋を収縮させて散瞳し、気管支を拡張し、心拍数と収縮力を上げ、消化管の運動と分泌を抑える。
選択肢ごとの確認
散瞳は交感神経(瞳孔散大筋)の作用。副交感神経は瞳孔括約筋を収縮させて縮瞳させる。
気管支の拡張は交感神経(β2受容体)の作用。副交感神経は気管支を収縮させ、気道分泌を増やす。喘息発作時に交感神経刺激薬(β2刺激薬)を使うのはこのため。
心拍数を上げるのは交感神経。副交感神経(迷走神経)は洞房結節に働いて心拍数を下げる。安静時にも常に軽く働いていて、これを迷走神経緊張という。
副交感神経は消化管の運動と消化液の分泌を高める。食事の場面が副交感優位であることと合う。
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混同しやすいポイント
個別に暗記すると必ず取り違える。「戦うか逃げるか(交感)」と「休んで消化する(副交感)」の2つの場面を思い浮かべ、その場面で体がどうなっているかから導く。走って逃げるときは瞳孔が開き、気管支が広がり、心拍が上がり、消化は後回し。これで4つ全部が説明できる。
理解を深める
例外を押さえると強い。汗腺は交感神経支配だが伝達物質はアセチルコリン(例外的にコリン作動性)。副腎髄質は交感神経の節前線維が直接支配し、節後線維に相当する部分が内分泌細胞になっている。血管は大部分が交感神経の単独支配で、副交感神経の支配をほとんど受けない。立毛筋も交感神経のみ。「二重支配を受けない器官」は問われやすい。
間違えやすい考え方
3つを交感、1つを副交感で並べて、印象の強い語(瞳孔・気管支・心拍)を先に読ませる型。選択肢を場面に置き換えて読むと機械的に処理できる。
5分で振り返る
交感=戦うか逃げるか:散瞳、気管支拡張、心拍数と収縮力の増加、血圧上昇、消化抑制、発汗、立毛。副交感=休んで消化する:縮瞳、水晶体を厚くする、気管支収縮、心拍数低下、消化管運動と消化液分泌の促進、排尿促進。例外は汗腺(交感でアセチルコリン)、副腎髄質(節前線維が直接支配)、血管と立毛筋(交感の単独支配)。
1分チェック
- 副交感神経が優位のとき瞳孔はどうなるか
- 気管支を拡張させるのはどちらか
- 心拍数を下げるのはどの神経か
- 二重支配を受けない器官を挙げられるか
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