チアノーゼとは( )の絶対量が増加して5g/dL 以上になり、皮膚や粘 膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。 ( )に入るのはどれか。
公式正答:4
解説
チアノーゼの定義で、絶対量が増加して5g/dL以上になると皮膚や粘膜が紫から青紫色を示すものを問う。脱酸素化ヘモグロビン(還元ヘモグロビン)である。
この問題で問われていること
チアノーゼの成因を、量の概念とともに説明できるか。
しくみから理解する
ヘモグロビンは、酸素と結合した酸素化ヘモグロビン(鮮紅色)と、酸素を離した脱酸素化ヘモグロビン(暗赤色)の形をとる。毛細血管内の脱酸素化ヘモグロビンが5g/dL以上になると、皮膚と粘膜が青紫色に見える。これがチアノーゼになる。重要なのは、「割合」ではなく「絶対量」で決まる点になる。したがって、多血症の人では、酸素飽和度がそれほど低くなくてもチアノーゼが現れやすく、逆に貧血の人では、著しい低酸素血症があってもチアノーゼが現れにくい。ヘモグロビンが5g/dLを下回るような高度の貧血では、理論上チアノーゼは生じない。
選択肢ごとの確認
ビリルビンは、赤血球のヘモグロビンが分解されてできる色素で、増加すると黄疸(皮膚と眼球結膜の黄染)を生じる。青紫色ではない。
ヘモグロビンは総称であり、これだけでは酸素と結合しているかどうかが定まらない。増加すれば多血症になるが、チアノーゼの定義に用いる語としては不正確になる。定義は、酸素を離した形(脱酸素化ヘモグロビン)の量による。
ヘモグロビンA1cは、ブドウ糖が結合したヘモグロビンで、過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を反映する指標になる。色調とは関係しない。
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混同しやすいポイント
「割合ではなく絶対量」という点が、この設問の核心になる。貧血があるとチアノーゼが出にくい、という臨床上の重要な帰結が、ここから導かれる。したがって、貧血のある患者では、チアノーゼの有無だけで酸素化を判断してはならず、酸素飽和度と動脈血ガス分析で評価する。逆に、多血症(慢性閉塞性肺疾患、チアノーゼ性心疾患、高地居住)では、チアノーゼが出やすくなる。
理解を深める
チアノーゼの分類と原因を整理する。中枢性チアノーゼ=動脈血の酸素飽和度そのものが低下している状態。全身(口唇、舌、口腔粘膜、体幹)に現れ、温めても改善しない。原因は、呼吸器疾患(肺炎、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、気胸)、右左短絡のある先天性心疾患(ファロー四徴症、大血管転位症)、そして高地。末梢性チアノーゼ=動脈血の酸素化は保たれているが、末梢の循環が悪く、組織で酸素が多く取り出される状態。四肢末端、耳介、鼻尖に現れる。原因は、寒冷、心拍出量の低下(心不全、ショック)、末梢動脈疾患、レイノー現象、そして静脈の閉塞。このうち寒冷やレイノー現象によるものは温めると改善するが、心拍出量の低下や動脈・静脈の閉塞によるものは温めても改善しない。温めて戻らない末梢性チアノーゼは、循環不全か血管の閉塞を疑って直ちに評価する。両者の区別は、舌と口腔粘膜を見ることでつく(末梢性では口腔内はピンク色を保つ)。その他=メトヘモグロビン血症では、酸素と結合できないメトヘモグロビンが増え、チアノーゼ様の色調(灰褐色)を示す。酸素を投与しても改善せず、酸素飽和度と動脈血酸素分圧が乖離する点が特徴になる。看護では、チアノーゼを見たら、部位(中枢性か末梢性か)、随伴症状(呼吸困難、意識、脈拍、血圧、末梢の冷感)、そして酸素飽和度を確認し、原因に応じた対応をとる。爪床は、マニキュアや爪の変色があると判定しにくいため、口唇と口腔粘膜で確認する。
間違えやすい考え方
定義を問う型で、誤肢が別の色素・不正確な総称・別の指標である。絶対量で決まるという点が核心になる。
5分で振り返る
①チアノーゼは、毛細血管内の脱酸素化ヘモグロビンが5g/dL以上になると生じる。②割合ではなく絶対量で決まる。③したがって、多血症では出やすく、貧血では出にくい。高度の貧血では理論上生じない。④貧血のある患者では、チアノーゼの有無だけで酸素化を判断せず、酸素飽和度と血液ガスで評価する。⑤中枢性チアノーゼ=動脈血の酸素飽和度の低下。全身に現れ、温めても改善しない。⑥末梢性チアノーゼ=末梢の循環障害。四肢末端に現れ、口腔内はピンク色を保つ。寒冷やレイノー現象によるものは温めると改善するが、心不全・ショック・動脈や静脈の閉塞によるものは温めても改善しない。⑦メトヘモグロビン血症では、酸素を投与しても改善せず、酸素飽和度と酸素分圧が乖離する。
1分チェック
- チアノーゼは何が増えると生じるか。→ 脱酸素化ヘモグロビンが5g/dL以上(割合ではなく絶対量)。
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