グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なものを問う。40℃である。
この問題で問われていること
温度の設定の根拠を説明できるか。
しくみから理解する
グリセリン浣腸液は、体温よりやや高い40℃程度に温めて用いる。理由は2つある。①冷たい液は、腸の粘膜を刺激して急激な蠕動と血管の収縮を招き、腹痛と血圧の変動をきたす。②熱すぎる液は、粘膜の熱傷を起こす。40℃前後は、体温に近く不快感が少なく、かつ安全な範囲になる。温度は、実施の直前に確認する。湯煎で温めた場合、時間が経つと下がるため、使用時に測る。なお、腸の蠕動を促す目的では、体温よりやや高い温度が適するとされる。
選択肢ごとの確認
20℃は室温に近く、冷たすぎる。腹痛、悪心、そして血圧の変動を招く。
30℃も体温より低く、刺激となる。
50℃は高すぎる。直腸の粘膜は熱に弱く、熱傷を起こす危険がある。粘膜の損傷は、出血と穿孔にもつながりうる。
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混同しやすいポイント
「体温よりやや高い40℃前後」と覚える。関連する温度と対比すると整理しやすい。清拭のタオル=40〜42℃(皮膚に触れる温度)。入浴=38〜41℃。足浴=38〜40℃。温罨法=40〜45℃。経管栄養の栄養剤=常温から体温程度。いずれも、体温の前後で、熱すぎず冷たすぎない範囲になる。
理解を深める
グリセリン浣腸の実施を整理する。目的=便の排出の促進(グリセリンが腸壁から水分を引き出し、便を軟らかくし、粘膜を刺激して蠕動を促す)。体位=左側臥位。直腸からS状結腸が左側にあるため、この体位が解剖学的に適し、液が流れやすい。立位での実施は禁忌になる(直腸の前壁に管が当たり、穿孔の危険が高まる)。挿入=カテーテルの先端に潤滑剤を塗り、口呼吸を促して力を抜いてもらい、成人では5cm程度挿入する。深すぎると穿孔、浅すぎると液が漏れる。注入=ゆっくりと(60mLで10〜30秒程度)。速いと不快感と血圧の変動を招く。保持=3〜5分程度我慢してもらってから排便を促す。すぐに出すと効果が得られない。禁忌と慎重適用を分ける。消化管穿孔、腸閉塞、急性腹症などが疑われる場合は実施せず診察を優先する。術後や全身状態不良、高齢者、心疾患患者では適応と方法を個別に確認し、血圧変動、迷走神経反射、粘膜損傷に注意する。実施中と実施後は、腹痛、気分不快、顔色、そしてバイタルサインを観察する。実施後は、排便の量、性状、色、そして血液の混入を確認する。グリセリンが腸粘膜の損傷部位から吸収されると、溶血と腎障害を起こしうるため、粘膜を傷つけないことが重要になる。
間違えやすい考え方
温度を問う型で、誤肢が低すぎるものと高すぎるものである。体温よりやや高い40℃前後で切る。
5分で振り返る
①浣腸液は40℃程度に温める。冷たいと腹痛と血圧の変動、熱すぎると粘膜の熱傷を招く。②温度は実施の直前に確認する。③体位は左側臥位(直腸からS状結腸が左側にあるため)。立位での実施は穿孔の危険があり禁忌。④成人では5cm程度挿入する。深すぎると穿孔、浅すぎると漏れる。⑤注入はゆっくり(60mLで10〜30秒程度)。⑥3〜5分程度我慢してから排便を促す。⑦グリセリンが損傷した粘膜から吸収されると溶血と腎障害を起こしうる。
1分チェック
- グリセリン浣腸液の温度は。→ 40℃(体温よりやや高い)。
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