看護師が行う処置で滅菌手袋を使用すべきなのはどれか。
公式正答:4
解説
看護師が行う処置で滅菌手袋を使用すべきものを問う。尿道カテーテルの挿入である。
この問題で問われていること
無菌の部位に触れるかどうかで判断できるか。
しくみから理解する
尿路は、通常は無菌の部位になる。尿道カテーテルを挿入する操作では、カテーテルが尿道を通って膀胱へ達するため、無菌操作で行う必要がある。細菌を持ち込めば、尿路感染症を起こす。カテーテル関連尿路感染は、医療関連感染の中でも頻度が高く、挿入時の無菌操作、そして留置中の管理(閉鎖式回路の維持、バッグを膀胱より低く保つ、早期の抜去)が予防の要点になる。したがって、滅菌手袋を用い、消毒、滅菌された器材、そして清潔野の確保のもとで実施する。
選択肢ごとの確認
筋肉内注射では、未滅菌の手袋(清潔手袋)で足りる。皮膚を消毒し、単回使用の滅菌された注射針と注射器を用いるが、手袋そのものが滅菌である必要はない。針や薬液に触れないよう操作する。
口腔内吸引も、未滅菌の手袋で行う。口腔内は元来、常在菌が多数存在する部位であり、無菌ではない。ただし、気管内吸引は、下気道が無菌の部位であるため、滅菌手袋と滅菌されたカテーテルを用いる(開放式の場合)。この違いが問われることがある。
ストーマパウチの交換も、未滅菌の手袋で行う。ストーマは消化管または尿路の粘膜が体表に出ているもので、周囲の皮膚とともに、無菌ではない。ただし、尿路ストーマでは、上行性の感染に配慮した清潔な操作が求められる。
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混同しやすいポイント
「その手技で、手が無菌の面に触れるか」で判断する。無菌の部位=血管内、膀胱と尿路、下気道、胸腔、腹腔、髄腔、関節腔、そして手術野。ここへ器具を入れる操作は無菌操作になる。無菌でない部位=皮膚の表面、口腔、鼻腔、上気道、消化管、腟、そしてストーマ。ここでの操作は、清潔操作(未滅菌の手袋、標準予防策)で足りる。ただし部位の無菌性だけで決まるわけではない。筋肉内注射は、本来無菌である筋層へ達するが、滅菌された針の刺入部に手が触れない手技であるため滅菌手袋は要らない。手袋の種類は、手が無菌の面に触れるかどうかで決まる。口腔内吸引と気管内吸引の違いは、この区別の代表例になる。
理解を深める
無菌操作を要する主な処置を整理する。尿道カテーテルの挿入、気管内吸引(開放式)、中心静脈カテーテルの挿入と管理、末梢静脈路の確保(穿刺部位に触れない操作)、創傷の処置(無菌の創、手術創)、そして各種の穿刺(胸腔、腹腔、腰椎、骨髄、関節)。尿道カテーテルの挿入の手順=手指衛生、必要物品の準備、患者への説明と同意、体位(女性は仰臥位で膝を立てて開脚、男性は仰臥位)、陰部の洗浄と消毒、滅菌手袋の装着、滅菌された覆布の使用、消毒、潤滑剤の塗布、挿入(女性は4〜6cm、男性は18〜20cm程度。尿の流出を確認してからさらに数cm進める)、バルーンの固定(滅菌蒸留水を用いる。生理食塩液は結晶化するため用いない)、そして固定(女性は大腿部、男性は下腹部へ固定して尿道の圧迫を防ぐ)。留置中の管理=閉鎖式回路を保つ、バッグは膀胱より低く床につけない、逆流を防ぐ、陰部の清潔、十分な水分、そして毎日必要性を評価して早期に抜去する。定期的な交換や膀胱洗浄は、感染の予防にならないため、原則として行わない。
間違えやすい考え方
手袋の種類を問う型で、手が無菌の面に触れるかで切る。誤肢には、無菌でない部位への処置と、無菌の組織へ達するが刺入部に手が触れない処置(筋肉内注射)が混ざっている。
5分で振り返る
①無菌の部位=血管内、膀胱と尿路、下気道、胸腔、腹腔、髄腔、関節腔、手術野。ここへの操作は無菌操作。②無菌でない部位=皮膚の表面、口腔、鼻腔、上気道、消化管、腟、ストーマ。③口腔内吸引は未滅菌の手袋、気管内吸引(開放式)は滅菌手袋を用いる。④挿入の長さ=女性4〜6cm、男性18〜20cm程度。尿の流出を確認してからさらに進める。⑤バルーンには滅菌蒸留水を用いる(生理食塩液は結晶化する)。⑥固定は女性が大腿部、男性が下腹部。⑦留置中は閉鎖式回路を保ち、バッグを膀胱より低く床につけず、毎日必要性を評価して早期に抜去する。
1分チェック
- 滅菌手袋を使うのは。→ 尿道カテーテルの挿入(尿路は無菌の部位)。
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