腹部前面を図に示す。 McBurney〈マックバーニー〉圧痛点はどれか。
公式正答:3
解説
腹部前面の図から、マックバーニー圧痛点を選ぶ。公式正答は③である。
この問題で問われていること
腹部の圧痛点の位置を、解剖学的な指標で示せるか。
しくみから理解する
マックバーニー圧痛点は、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分し、外側から3分の1の点にあたる。虫垂の付け根がこの付近に投影されるため、急性虫垂炎で圧痛を認める部位になる。臍と上前腸骨棘という2つの触れる指標から位置が決まるため、体格が違っても再現性がある。関連する圧痛点として、ランツ点(左右の上前腸骨棘を結ぶ線を3等分し、右から3分の1の点)、そしてキュンメル点(臍の右下方1〜2cm)がある。
選択肢ごとの確認
該当しない位置になる。図には、腹部の他の圧痛点や、臓器に対応する部位が並べられている。
同様に該当しない。
同様に該当しない。
同様に該当しない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の、外側3分の1」という定義を、そのまま覚える。図がなくても、この定義から位置を指し示せる。虫垂炎の診察では、この圧痛点に加えて、反跳痛(ブルンベルグ徴候:圧迫した手を急に離すと痛みが強まる)、筋性防御、そしてローゼンシュタイン徴候(左側臥位で圧痛が強まる)、ロブシング徴候(左下腹部を圧迫すると右下腹部が痛む)、そして腸腰筋徴候と閉鎖筋徴候を確認する。
理解を深める
急性虫垂炎の理解を整理する。病態=虫垂の内腔が糞石、リンパ濾胞の腫大などで閉塞し、内圧が上がって血流が障害され、細菌が増殖して炎症を起こす。カタル性、蜂窩織炎性、壊疽性と進み、穿孔すれば腹膜炎になる。症状=典型的には、心窩部または臍周囲の痛みで始まり、数時間から半日かけて右下腹部へ移動する。これは、初期の内臓痛(局在がはっきりしない)から、炎症が腹膜へ及んだ体性痛(局在が明確)へ変わるためになる。加えて、悪心・嘔吐、食欲不振、微熱。進行すると、反跳痛と筋性防御が現れる。検査=白血球の増加、C反応性蛋白質の上昇、そして超音波またはCTによる虫垂の腫大の確認。治療=手術(虫垂切除術。腹腔鏡下が広く行われる)が基本だが、軽症例では抗菌薬による保存的治療が選択されることもある。看護=穿孔を防ぐため、診断がつくまで下剤と浣腸は行わない(腸管の運動を促して穿孔を招く)。鎮痛薬の使用は、以前は診断を妨げるとして控えられたが、現在は適切に用いてよいとされる。術後は、疼痛の管理、早期離床、そして腹膜炎を合併した場合はドレーンの管理と感染の観察を行う。小児と高齢者では、症状が非典型的で診断が遅れやすく、穿孔率が高くなる点にも注意する。
間違えやすい考え方
図から位置を選ぶ型で、解剖学的な指標による定義から判断できる。図中のどれが正答③かは別冊で要確認。
5分で振り返る
①マックバーニー圧痛点=右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分した、外側から3分の1の点。②虫垂の付け根がこの付近に投影される。③ランツ点=左右の上前腸骨棘を結ぶ線の、右から3分の1の点。④虫垂炎の痛みは、心窩部または臍周囲から始まり、数時間から半日で右下腹部へ移動する(内臓痛から体性痛へ)。⑤反跳痛(ブルンベルグ徴候)、筋性防御、ロブシング徴候などを確認する。⑥診断がつくまで下剤と浣腸は行わない(穿孔を招く)。⑦小児と高齢者では症状が非典型的で、穿孔率が高い。
1分チェック
- マックバーニー圧痛点は。→ 右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側3分の1。
この問題に対応する教材の確認中です。