経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定値に影響を及ぼすのはどれか。
公式正答:4
解説
経皮的動脈血酸素飽和度の測定値に影響を及ぼすものを問う。末梢循環不全である。
この問題で問われていること
測定の原理から、影響する要因を導けるか。
しくみから理解する
パルスオキシメータは、指などに光を当て、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンで吸収される光の波長が異なることを利用して、動脈血の酸素飽和度を推定する。その際、拍動する成分(動脈血)だけを取り出して計算するため、拍動が十分に得られることが前提になる。末梢循環不全(ショック、心不全、末梢動脈疾患、寒冷、血管収縮薬の使用)では、末梢の血流が乏しく拍動が小さいため、測定値が不安定になり、実際より低く出るか、測定できなくなる。この場合は、身体を温める、装着部位を変える(耳朶、前額部)、そして他の指標(動脈血ガス分析、意識、呼吸様式、皮膚の色)で評価する。
選択肢ごとの確認
頻脈そのものは、測定値に大きな影響を与えない。ただし、著しい不整脈があると、拍動の検出が不安定になることがある。
高血圧も、測定値に直接の影響を与えない。逆に、著しい低血圧(ショック)では末梢の血流が減り、測定に影響する。
高体温も、測定値に直接の影響を与えない。むしろ、低体温では末梢が収縮して測定が難しくなる。
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混同しやすいポイント
「拍動する動脈血を捉えている」という原理から、影響するのは末梢の血流に関わる要因だと導ける。誤肢はいずれも、原理に照らして測定に影響しない。他に影響する要因として、マニキュアと付け爪(光を遮る)、体動(波形が乱れる)、強い外光(センサーに入る)、一酸化炭素中毒(一酸化炭素ヘモグロビンを酸素化ヘモグロビンと区別できず、高く表示される)、メトヘモグロビン血症(およそ85%付近で頭打ちになる)、そして色素の静脈内投与がある。
理解を深める
パルスオキシメータの使い方を整理する。装着=指、耳朶、前額部、そして乳児では足趾や手掌。指・耳朶・足趾で用いるものは透過型で、発光部と受光部が組織を挟んで向かい合う位置に、締めつけすぎないよう装着する。前額部用は反射型で、発光部と受光部が同じ面に並び、額へ密着させて貼る。型ごとに装着法が異なるため、製品の指示に従う。血圧計のマンシェットと同じ側の腕は避ける(加圧中に測定できなくなる)。同じ部位に長時間装着すると、圧迫による皮膚障害が生じるため、定期的に部位を変える。評価=表示される数値だけでなく、脈波の波形が安定して出ているかを確認する。波形が乱れていれば、数値の信頼性は低い。基準=一般に96〜99%が正常、90%未満は呼吸不全に相当する(動脈血酸素分圧60Torrに対応)。ただし、慢性閉塞性肺疾患などで目標値が個別に定められている患者もいる。限界=①酸素飽和度は、酸素の運搬量そのものではない(貧血があれば、飽和度が高くても酸素の運搬量は少ない)、②換気の状態(二酸化炭素の貯留)は分からない、③酸素を投与していると、低換気があっても飽和度が保たれ、悪化に気づきにくい。したがって、数値だけに頼らず、呼吸数、呼吸様式、呼吸音、意識、そして患者の訴えとあわせて評価することが重要になる。
間違えやすい考え方
測定値に影響する要因を問う型で、誤肢が原理に照らして影響しないものである。拍動を捉える原理で切る。
5分で振り返る
①パルスオキシメータは、拍動する成分(動脈血)だけを取り出して酸素飽和度を推定する。②末梢循環不全(ショック、心不全、末梢動脈疾患、寒冷、血管収縮薬)では拍動が小さく、測定値が不安定になるか測定できない。③他に影響するもの=マニキュアと付け爪、体動、強い外光、一酸化炭素中毒(高く表示される)、メトヘモグロビン血症。④頻脈、高血圧、高体温は直接の影響を与えない。⑤脈波の波形が安定しているかを確認する。⑥一般に96〜99%が正常、90%未満は呼吸不全に相当(動脈血酸素分圧60Torr)。⑦限界=酸素の運搬量そのものではない、換気の状態は分からない、酸素投与中は悪化に気づきにくい。
1分チェック
- 測定値に影響するのは。→ 末梢循環不全(拍動が捉えられない)。
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