子どもの発達で正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
子どもの発達で正しいものを問う。発達は急速な時期と緩慢な時期がある、である。
この問題で問われていること
発達の一般的な原則を説明できるか。
しくみから理解する
発達の速度は一定ではなく、急速に進む時期と、緩やかに進む時期がある。身体の発育では、乳児期と思春期に急激な伸びがみられ、その間の幼児期から学童期は緩やかになる(発育急進期が2回ある)。臓器ごとにも、発育の時期が異なる。スキャモンの発育曲線では、一般型(身長、体重、筋、骨、内臓)はS字状に2回の急進期を示し、神経型(脳、脊髄、頭囲)は乳幼児期に急速に発達して6歳頃には成人の9割に達し、リンパ型(扁桃、リンパ節、胸腺)は学童期に成人を超えてその後低下し、生殖型(生殖器)は思春期に急激に発達する。
選択肢ごとの確認
原始反射は、生後6〜12か月にみられるのではなく、出生時から存在し、多くは生後数か月で消失する。モロー反射は生後4〜6か月、把握反射は生後3〜4か月(足底は9〜10か月)、吸啜反射と探索反射は生後4〜6か月、非対称性緊張性頸反射は生後4〜6か月頃に消失する。バビンスキー反射は1〜2歳頃まで残る。消失すべき時期に残る、あるいは出現すべき時期にみられないことは、中枢神経の異常を示唆する。
基本的な運動発達は、脚部から上方へではなく、頭部から尾部(足の方向)へ進む。首がすわる→寝返り→座る→つかまり立ち→歩く、という順序がこれを示している。また、中枢から末梢へ(体幹から指先へ)、粗大から微細へという方向性もある。
新生児期は、環境因子よりも遺伝の影響が大きいとされる。成長するにつれて、環境(栄養、養育、教育、社会)の影響が相対的に大きくなる。ただし、胎児期と新生児期にも環境の影響(栄養、感染、薬剤、母体の状態)は及ぶ。
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混同しやすいポイント
発達の原則は、①順序性がある(順番は決まっている)、②方向性がある(頭部から尾部へ、中枢から末梢へ、粗大から微細へ)、③速度は一定でない(急速な時期と緩慢な時期がある)、④臨界期がある(その時期を逃すと獲得が難しい機能がある)、⑤個人差がある、⑥連続的である、の6つで整理できる。誤肢は、②と③に関わる誤りと、原始反射の時期の誤り、そして遺伝と環境の関係の誤りになる。
理解を深める
発達のスクリーニングを整理する。目的=発達の遅れや偏りを早期に発見し、支援につなげる。乳幼児健康診査(1歳6か月児と3歳児は法定。多くの自治体で3〜4か月児、9〜10か月児も実施)で行われる。方法=問診、診察、そして発達の指標の確認。デンバー式発達スクリーニング検査などの標準化された道具も用いられる。評価の視点=粗大運動、微細運動、言語、社会性の4領域。1つの領域だけでなく、全体を見る。判断=目安から少し外れることは珍しくないため、1回の結果で断定せず、経過を見る。ただし、①明らかな遅れ、②獲得していた能力の喪失(退行)、③左右差、④原始反射の残存または欠如、⑤保護者の心配がある場合は、精査へつなぐ。保護者への対応=不安をあおらず、しかし見過ごさない。できていることを具体的に伝え、心配な点は「一緒に見ていきましょう」という形で継続的に関わる。早期の発見は、早期の支援につながり、その子の発達を最大限に引き出すことができる。一方で、レッテルを貼ることが目的ではないため、伝え方には十分な配慮が要る。
間違えやすい考え方
発達の原則を問う型で、誤肢が時期・方向・遺伝と環境の関係で誤っている。6つの原則で整理して切る。
5分で振り返る
①発達の速度は一定でなく、急速な時期と緩慢な時期がある。発育急進期は乳児期と思春期の2回。②スキャモンの発育曲線=一般型(S字状に2回の急進)、神経型(乳幼児期に急速、6歳で成人の9割)、リンパ型(学童期に成人を超え以後低下)、生殖型(思春期に急激)。③原始反射は出生時から存在し、多くは生後数か月で消失する(モロー4〜6か月、把握3〜4か月、吸啜4〜6か月)。④運動発達は頭部から尾部へ、中枢から末梢へ、粗大から微細へ進む。⑤新生児期は遺伝の影響が大きく、成長とともに環境の影響が相対的に大きくなる。⑥発達の原則=順序性、方向性、速度の変動、臨界期、個人差、連続性。⑦精査へつなぐ目安=明らかな遅れ、退行、左右差、原始反射の残存または欠如、保護者の心配。
1分チェック
- 発達の速度は。→ 急速な時期と緩慢な時期がある(発育急進期は乳児期と思春期の2回)。
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