乳歯について正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
乳歯について正しいものを問う。胎児期に石灰化が始まる、である。
この問題で問われていること
歯の形成の時期と、乳歯・永久歯の違いを覚えているか。
しくみから理解する
乳歯の歯胚は胎生7週頃から形成が始まり、石灰化は胎生4〜6か月頃(妊娠中期)から始まる。したがって、生まれる前から歯の硬い部分が作られている。このため、妊娠中の母体の栄養状態、薬剤(テトラサイクリン系抗菌薬は歯の変色を招く)、そして疾患が、子どもの歯の質に影響しうる。永久歯の石灰化は、多くが出生後(生後数か月から数年)に始まる。第一大臼歯は出生前後から石灰化が始まる。
選択肢ごとの確認
乳歯は永久歯より石灰化度が低い。エナメル質と象牙質が薄く、石灰化も不十分なため、う蝕(むし歯)が進みやすく、また歯髄に達するのも早い。乳歯のう蝕は進行が速いという特徴があり、早期の発見と対応が重要になる。
乳歯は生後8か月には生えそろわない。生え始めるのが生後6〜8か月頃(下顎の乳中切歯)で、生えそろうのは2歳6か月から3歳頃になる。1歳で8本程度が目安になる。
本数は永久歯と同じではない。乳歯は20本、永久歯は32本(第三大臼歯=親知らずを含む。含まなければ28本)になる。永久歯には、乳歯の後継となる歯(代生歯)に加えて、乳歯のない位置に生える大臼歯(加生歯)があるため、本数が増える。
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混同しやすいポイント
「乳歯20本、永久歯32本(または28本)」「生え始め6〜8か月、生えそろい2歳6か月〜3歳」「石灰化は胎児期から」という3点を押さえる。誤肢は、石灰化度、生えそろう時期、そして本数という、いずれも基本的な事実の誤りになる。乳歯が永久歯より弱いという点は、う蝕の予防の指導の根拠にもなる。
理解を深める
小児の歯と口腔の健康を整理する。萌出の順序=下顎乳中切歯(6〜8か月)→上顎乳中切歯→乳側切歯→第一乳臼歯→乳犬歯→第二乳臼歯(2歳6か月〜3歳で20本そろう)。永久歯は6歳頃から生え始め、第一大臼歯(6歳臼歯)が乳歯の後ろに生えることが多い。12歳前後で第三大臼歯を除く28本が生えそろう。う蝕の予防=①仕上げ磨き(自分で磨けるようになっても、小学校の中学年頃までは保護者が仕上げる)、②フッ化物の応用(歯磨剤、洗口、歯科での塗布)、③糖分を含む飲食物の頻度と時間の管理(だらだら食べない、就寝前の飲食を避ける)、④哺乳瓶う蝕の予防(哺乳瓶に糖分を含む飲料を入れて寝かせない)、⑤定期的な歯科の受診。歯の外傷=転倒や衝突により、乳歯が脱臼・脱落することがある。乳歯の再植は、後継の永久歯に影響するため原則として行わない。永久歯が脱落した場合は、歯根膜を乾燥させないよう、歯牙保存液に浸すのが最もよく、次いで牛乳、生理食塩水を用いて、速やかに歯科を受診する。口腔内(唾液)に含んで運ぶ方法は、他に手段がない場合に限る。小児や、意識・協力が十分でない人では、誤飲と誤嚥の危険があるため用いない。歯の健康は、咀嚼、栄養、発音、そして顎の発育に関わるため、全身の健康と発達に結びつく。
間違えやすい考え方
乳歯の特徴を問う型で、誤肢が石灰化度・時期・本数の誤りである。基本の3点を押さえて切る。
5分で振り返る
①乳歯の歯胚は胎生7週頃から形成され、石灰化は胎生4〜6か月頃から始まる。②そのため妊娠中の母体の栄養、薬剤(テトラサイクリン系は変色を招く)、疾患が影響しうる。③乳歯は永久歯より石灰化度が低く、エナメル質と象牙質が薄いため、う蝕が速く進み歯髄に達しやすい。④生え始めは生後6〜8か月(下顎乳中切歯)、生えそろうのは2歳6か月〜3歳。1歳で8本程度。⑤乳歯は20本、永久歯は32本(第三大臼歯を除けば28本)。⑥永久歯は6歳頃から生え始め、第一大臼歯が乳歯の後ろに生える。⑦う蝕の予防=仕上げ磨き、フッ化物、糖分の頻度と時間の管理、哺乳瓶う蝕の予防、定期受診。
1分チェック
- 乳歯の石灰化はいつ始まるか。→ 胎児期(胎生4〜6か月頃)。
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