A 病院の組織図を示す。 医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。
公式正答:2
解説
病院の組織図から、医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置を問う。公式正答は②である。
この問題で問われていること
組織の構造と、部門の位置づけを説明できるか。
しくみから理解する
医療安全管理部門は、特定の診療科や病棟に属するのではなく、組織の全体を対象として活動する必要がある。そのため、組織図では、院長(または病院長)の直下に置かれ、各部門と並列ではなく、横断的に関われる位置に配置される。これをスタッフ部門(あるいはスタッフ機能)といい、指揮命令系統に沿って業務を遂行するライン部門(診療部、看護部、事務部など)に対して、助言、調整、そして専門的な支援を行う立場になる。トップに直属することで、部門の利害から独立して、組織全体へ働きかけられる。
選択肢ごとの確認
横断的に活動する位置ではない。特定の部門の下に置かれると、その部門の範囲でしか活動できず、他部門への働きかけが難しくなる。
同様に、部門の内部に置かれる位置になる。
同様に該当しない。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「横断的=トップ直属のスタッフ部門」という対応を押さえる。医療安全管理部門のほか、感染制御部門、医療の質管理部門、そして倫理委員会なども、同様の位置に置かれることが多い。これらはいずれも、組織の全体に関わり、かつ個別の部門の利害から独立している必要があるためになる。
理解を深める
組織の構造を整理する。ライン部門=組織の目的を直接に達成する部門で、指揮命令系統に沿って上から下へ権限が流れる。病院では、診療部、看護部、薬剤部、検査部、事務部など。スタッフ部門=ライン部門を専門的に支援し、助言と調整を行う部門。指揮命令の権限は持たないが、専門的な立場から働きかける。医療安全管理部門、感染制御部門、経営企画、人事、そして広報など。ライン・アンド・スタッフ組織=この2つを組み合わせた形で、多くの病院がこの構造をとる。医療安全管理体制=医療法により、病院と有床診療所には、①医療の安全を確保するための指針の策定、②医療安全管理委員会の設置、③職員への研修(年2回程度)、④事故等の報告と改善のための方策、が義務づけられる。特定機能病院ではさらに厳しく、医療安全管理責任者の配置、専従の医療安全管理者と医薬品安全管理責任者・医療機器安全管理責任者の配置、監査委員会の設置などが求められる。医療事故調査制度=医療に起因し、予期しなかった死亡または死産が発生した場合、医療機関は医療事故調査・支援センターへ報告し、院内調査を行い、その結果を遺族へ説明し、センターへ報告する。目的は責任の追及ではなく、再発の防止になる。看護管理者は、これらの体制の中で、部署における安全の推進、報告しやすい風土づくり、そして改善活動を担う。
間違えやすい考え方
図から位置を選ぶ型で、横断的=トップ直属のスタッフ部門という原則で判断できる。図中の位置は別冊で要確認。
5分で振り返る
①医療安全管理部門は、組織全体を対象とするため、院長直属のスタッフ部門として配置される。②スタッフ部門は、指揮命令の権限を持たず、助言・調整・専門的な支援を行う。③ライン部門は、指揮命令系統に沿って業務を遂行する(診療部、看護部、事務部など)。④トップ直属にすることで、部門の利害から独立して働きかけられる。⑤感染制御部門、医療の質管理部門、倫理委員会も同様の位置に置かれることが多い。⑥医療法により、指針の策定、委員会の設置、職員研修(年2回程度)、事故の報告と改善が義務づけられる。⑦医療事故調査制度の目的は、責任の追及ではなく再発の防止になる。
1分チェック
- 医療安全管理部門の位置は。→ 院長直属のスタッフ部門(横断的に活動する)。
この問題に対応する教材の確認中です。