医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。
公式正答:3
解説
医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うものを問う。医療の安全を確保するための指針を策定することである。
この問題で問われていること
誰が何をする義務を負うかを区別できるか。
しくみから理解する
医療法とその施行規則により、病院、診療所、そして助産所の管理者は、医療の安全を確保するための措置を講じなければならないとされる。具体的には、①医療に係る安全管理のための指針の整備、②医療に係る安全管理のための委員会の開催(診療所では努力義務の場合がある)、③医療に係る安全管理のための職員研修の実施、④医療機関内における事故報告等の医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策、の4つになる。したがって、指針の策定は医療機関が行う義務になる。
選択肢ごとの確認
医療安全支援センターを設置するのは、医療機関ではなく、都道府県、保健所を設置する市、そして特別区になる。患者と家族からの苦情や相談に応じ、助言と情報提供を行い、医療機関と患者の間の信頼関係の構築を支援する機関になる。
医療安全管理者養成研修を実施するのは、医療機関ではなく、職能団体や学術団体、そして研修機関になる。医療機関は、そこへ職員を派遣して養成する立場になる。
職員研修の実施は義務だが、2年に1回ではない。年2回程度、およびその他必要に応じて実施することとされている。頻度が実際より少なく述べられている。
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混同しやすいポイント
「誰が」「何を」「どの頻度で」の3点を確認する。誤肢は、主体の取り違え(センターの設置、養成研修の実施)と、頻度の誤り(2年に1回)になる。制度の設問では、義務を負う主体を取り違えないことが要点になる。医療機関の義務は、指針、委員会、研修、そして改善の方策の4つと覚える。
理解を深める
医療安全の制度と実践を整理する。医療機関の義務(4項目)=上記。加えて、院内感染対策、医薬品の安全管理、医療機器の安全管理についても、指針、委員会または責任者、研修、そして手順の整備が求められる。医療安全支援センター=都道府県等が設置し、患者からの相談への対応、医療機関への助言、情報の提供、そして研修を行う。医療事故調査制度=2015年から。医療に起因する予期しなかった死亡・死産が対象。センターへの報告、院内調査、遺族への説明、そして結果の報告。責任の追及ではなく、原因の分析と再発の防止が目的になる。実践=①インシデント・アクシデントの報告(レベル0〜5などで分類する。報告は責任追及のためではないことを繰り返し伝え、報告しやすい風土をつくる)、②根本原因分析による原因の究明、③改善策の立案と実施、そして効果の評価、④指差し呼称、ダブルチェック、標準化された手順、そして人が誤りにくい仕組み(フェイルセーフ、フールプルーフ)の導入。人は誤るという前提に立ち、個人の注意力に頼らず、仕組みで防ぐという考え方(システムアプローチ)が土台になる。とくに誤りの多い場面=与薬(患者、薬、量、経路、時間、目的の確認)、輸血、転倒・転落、チューブ類の自己抜去、そして情報の伝達(申し送り、電話での指示)。看護師は、医療の最前線で患者に接する立場として、誤りを最後に食い止める役割と、誤りを起こしうる立場の両方にある。
間違えやすい考え方
義務の主体を問う型で、誤肢が主体の取り違えと頻度の誤りである。誰が・何を・どの頻度でで切る。
5分で振り返る
①医療法により、医療機関の管理者は、指針の整備、委員会の開催、職員研修の実施、事故報告等による改善の方策の4つを行う。②職員研修は年2回程度およびその他必要に応じて実施する(2年に1回ではない)。③医療安全支援センターを設置するのは、都道府県、保健所を設置する市、特別区。④医療安全管理者養成研修を実施するのは職能団体や研修機関で、医療機関は職員を派遣する立場。⑤院内感染対策、医薬品と医療機器の安全管理についても同様の体制が求められる。⑥医療事故調査制度の対象は、医療に起因する予期しなかった死亡・死産。目的は再発の防止。⑦人は誤るという前提に立ち、仕組みで防ぐ(システムアプローチ)。
1分チェック
- 医療機関が行うのは。→ 医療の安全を確保するための指針の策定(ほかに委員会、研修、改善の方策)。
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