女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。
公式正答:1
解説
女子の第二次性徴(乳房の発育・皮下脂肪の増加・初経)を起こすのは卵巣から出るエストロゲン。
この問題で問われていること
第二次性徴を起こすホルモンを性別ごとに言えるか。他のホルモンとの役割の違いを区別できるか。
しくみから理解する
思春期になると視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌が高まり、下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)が出る。これが卵巣を刺激してエストロゲンの分泌が増える。エストロゲンは乳房の発育、皮下脂肪の女性型の分布(腰や殿部への沈着)、子宮と腟の発育、骨盤の発達をもたらし、子宮内膜を増殖させて初経に至らせる。男子ではLHが精巣のライディッヒ細胞を刺激してテストステロンを分泌させ、変声・体毛の増加・筋肉の発達・精通が起こる。 【接地元】三年解剖学総まとめ(女性生殖器・内分泌系)、OpenStax maternal_newborn_nursing(puberty)
選択肢ごとの確認
卵巣から分泌され、女子の第二次性徴を起こす中心的なホルモン。
下垂体後葉から放出され、分娩時の子宮収縮と授乳時の射乳を起こす。第二次性徴とは関係しない。
身長の伸びには関わるが、性差のある特徴(乳房の発育など)をつくるわけではない。第二次性徴と思春期の身長スパートは同時期に起こるので混同しやすい。
基礎代謝と成長・発達全般に必要だが、性徴を決めるホルモンではない。
男子の第二次性徴を起こすホルモン。女子でも副腎と卵巣から少量分泌され腋毛・恥毛の発生に関わるが、「最も関与する」のはエストロゲン。
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混同しやすいポイント
身長が伸びることと第二次性徴を同一視すると3を選ぶ。身長スパートは成長ホルモンと性ホルモンの両方が関わるが、性別に特有の身体的特徴をつくるのは性ホルモンである。
理解を深める
エストロゲンには骨端軟骨板を閉鎖させる作用もあり、これが思春期の身長の伸びを止める。女子のほうが男子より早く思春期を迎え、早く身長の伸びが止まるのはこのため。第115回午前 問62で「エストロゲン-骨端軟骨板閉鎖」の組合せが正答になっているのはこの作用を問うている。またエストロゲンは骨吸収を抑えるので、閉経後にエストロゲンが減ると骨粗鬆症のリスクが高まる。LDLコレステロールを下げる作用もあり、閉経後に脂質異常症が増えるのも同じ理由による。
間違えやすい考え方
同時期に起こる別の現象(身長の伸び)のホルモンを誤肢に混ぜる型と、反対の性のホルモンを混ぜる型を重ねている。
5分で振り返る
思春期=視床下部GnRH↑→下垂体前葉LH・FSH↑→性腺から性ホルモン。女子はエストロゲン(卵巣)で乳房発育・皮下脂肪の女性型分布・子宮腟の発育・初経・骨端軟骨板閉鎖・骨吸収抑制・LDL低下。男子はテストステロン(精巣ライディッヒ細胞)で変声・体毛・筋肉の発達・精通。閉経でエストロゲンが減ると骨粗鬆症と脂質異常症が増える。
1分チェック
- 女子の第二次性徴を起こすホルモンは何か
- 男子ではどれか
- エストロゲンの作用を3つ以上挙げられるか
- 思春期のホルモンの流れを視床下部から言えるか
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