直流除細動器の使用目的はどれか。
公式正答:4
解説
直流除細動器の使用目的を問う。洞調律の回復である。
この問題で問われていること
除細動が何をしているかを、電気生理から説明できるか。
しくみから理解する
心室細動や無脈性心室頻拍では、心筋の多数の部位が無秩序に興奮し、心室が有効に収縮できない状態になっている。除細動は、短時間に強い直流電流を流して心筋全体を同時に脱分極させ、無秩序な興奮を一斉に止める。その後、最も自動能の高い洞結節が再び歩調取りとして働き始めることで、正常な洞調律の回復が期待できる。つまり除細動は、心臓を「動かす」のではなく、いったん「止めて」秩序を取り戻させる処置である。この理解が、心静止(心電図が平坦)に除細動が適応にならない理由にもつながる。
選択肢ごとの確認
血圧の上昇そのものを目的とするものではない。結果として有効な心拍出が戻れば血圧も回復するが、それは洞調律が戻ったことによる。
呼吸を促進する装置ではない。心停止では呼吸も停止するが、除細動が呼吸中枢に働きかけるわけではない。
体温の上昇を目的とするものでもない。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも「循環が戻れば結果として改善しうること」だが、除細動そのものの目的ではない。目的は不整脈を止めて洞調律を回復させることであり、この一点に絞られる。あわせて、適応となる調律(心室細動、無脈性心室頻拍)と、適応にならない調律(心静止、無脈性電気活動)を区別しておく。後者では、除細動ではなく胸骨圧迫とアドレナリン投与、原因の検索が中心になる。
理解を深める
電気的治療は、脈拍の有無とリズムで分ける。血行動態が不安定で脈のある規則的な単形性頻拍性不整脈では、適応を確認してR波同期カルディオバージョンを行う。心室細動、無脈性心室頻拍、同期できない多形性心室頻拍では非同期除細動を行う。通電後は心停止なら直ちに胸骨圧迫を再開し、脈のある患者ではリズムと循環を再評価する。
間違えやすい考え方
目的を問う型で、誤肢が結果として改善しうる事柄である。処置そのものの目的で切る。
5分で振り返る
①脈ありか心停止かを最初に分ける。②不安定な規則的単形性頻拍では同期通電を検討する。③心室細動・無脈性心室頻拍・多形性心室頻拍は非同期除細動。④同期できないリズムに同期を強行しない。⑤通電後の対応は循環の有無で異なる。
1分チェック
- 除細動の目的は。→ 無秩序な興奮を止めて洞調律を回復させること。
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