舌の模式図を示す。 味蕾が少ない部位はどれか。
公式正答:2
解説
舌の模式図から、味蕾が少ない部位を選ぶ。公式正答は②である。
この問題で問われていること
舌乳頭の種類と、味蕾の有無の対応を知っているか。
しくみから理解する
舌の表面には4種類の乳頭がある。糸状乳頭は、舌背の全体に密に分布し、最も数が多いが、味蕾を持たない。角化した先端で食物を舌の上に保持し、触覚を担う。茸状乳頭は、舌尖と舌の縁に散在し、味蕾を持つ。葉状乳頭は、舌の後外側の縁にひだ状に並び、味蕾を持つ。有郭乳頭は、分界溝の前に沿ってV字状に並ぶ大型の乳頭で、味蕾が最も密に存在する。したがって、味蕾が少ないのは、糸状乳頭が占める舌背の中央部になる。舌尖、舌の縁、そして舌根に近い部分には味蕾が多く分布する。
選択肢ごとの確認
味蕾が多く分布する部位になる。舌尖と舌の縁には茸状乳頭が分布し、味蕾を持つ。
味蕾が多く分布する部位になる。舌の後外側には葉状乳頭が、分界溝の前には有郭乳頭が並び、いずれも味蕾を持つ。
味蕾が多く分布する部位になる。有郭乳頭の周囲には味蕾が最も密に存在する。
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混同しやすいポイント
「舌の部位によって感じる味が違う(味覚地図)」という説明は、現在では否定されている。甘味は舌尖、苦味は舌根、といった対応づけは、20世紀初頭の解釈の誤りが広まったもので、実際にはすべての基本味を舌のどの部位でも感じられる。この設問が問うているのは、味の種類の分布ではなく、味蕾そのものの数の分布になる。糸状乳頭には味蕾がない、という一点が判断の根拠になる。
理解を深める
味覚の伝導路は、舌の部位によって異なる神経が担う。舌の前3分の2は、顔面神経(第Ⅶ脳神経)の枝である鼓索神経が味覚を伝える。舌の後3分の1は、舌咽神経(第Ⅸ脳神経)が担う。喉頭蓋の周囲は、迷走神経(第Ⅹ脳神経)が担う。一方、舌の一般体性感覚(触覚、温度覚、痛覚)は、前3分の2を三叉神経の第3枝(下顎神経)の枝である舌神経が、後3分の1を舌咽神経が伝える。運動は、舌筋のほぼすべてを舌下神経(第Ⅻ脳神経)が支配する(口蓋舌筋のみ迷走神経)。基本味は5つで、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味になる。辛味は味覚ではなく、痛覚と温度覚として三叉神経が伝える。味蕾の細胞は約10日で入れ替わり、加齢や亜鉛の欠乏、薬剤、放射線療法、口腔乾燥によって味覚障害を生じる。看護では、食欲不振や食事摂取量の低下の背景に味覚の変化がないかを確認し、口腔ケア、唾液の分泌の促進、亜鉛の補充、そして味付けの工夫を検討する。
間違えやすい考え方
図から部位を選ぶ型で、糸状乳頭には味蕾がないという一点で判断できる。図中の番号の位置は別冊で要確認。
5分で振り返る
①舌乳頭は4種類。糸状乳頭は舌背全体に密に分布するが味蕾を持たない。②茸状乳頭(舌尖と縁)、葉状乳頭(後外側の縁)、有郭乳頭(分界溝の前にV字状)は味蕾を持つ。③有郭乳頭の周囲に味蕾が最も密に存在する。④「味覚地図」(部位で感じる味が違う)は否定されている。⑤味覚の伝導=前3分の2は顔面神経(鼓索神経)、後3分の1は舌咽神経、喉頭蓋周囲は迷走神経。⑥基本味は甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つ。辛味は三叉神経が伝える痛覚と温度覚。⑦味覚障害は加齢、亜鉛欠乏、薬剤、放射線療法、口腔乾燥で生じる。
1分チェック
- 味蕾が少ないのは舌のどこか。→ 舌背の中央部(糸状乳頭は味蕾を持たない)。
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