生活保護法に基づき生活保護の実務を行うのはどれか。
公式正答:2
解説
生活保護法に基づき生活保護の実務を行うものを問う。福祉事務所である。
この問題で問われていること
各機関の所管する分野を区別できるか。
しくみから理解する
福祉事務所は、社会福祉法に基づき、都道府県および市(特別区を含む)に設置が義務づけられ、町村は任意で設置できる。生活保護法をはじめとする福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法)に定める援護、育成、更生の措置に関する事務を行う。生活保護については、申請の受付、資力調査(ミーンズテスト)、要否と程度の決定、保護費の支給、被保護者への指導と援助(ケースワーク)を担う。現業員(ケースワーカー)が家庭を訪問して状況を把握し、自立に向けた支援を行う。
選択肢ごとの確認
保健所は、地域保健法に基づき、都道府県、政令指定都市、中核市などが設置する。感染症対策、精神保健、難病対策、母子保健の専門的な部分、食品衛生、環境衛生、統計といった、広域的・専門的・技術的な業務を担う。生活保護の実務は行わない。
精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づき都道府県と指定都市に設置される。精神保健と精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究、複雑困難な相談、精神医療審査会の事務、精神障害者保健福祉手帳の判定、自立支援医療(精神通院)の判定を行う。
地域包括支援センターは、介護保険法に基づき市町村が設置する。高齢者に対する総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントを担う。
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混同しやすいポイント
4つとも地域にある相談・支援の機関であり、根拠法と所管する分野で区別する。福祉事務所=社会福祉法(福祉六法、生活保護)、保健所=地域保健法(広域・専門・技術的な保健)、精神保健福祉センター=精神保健福祉法(精神保健の専門機関)、地域包括支援センター=介護保険法(高齢者の総合相談)。市町村保健センターも加えて、住民に身近な保健サービス(健診、健康相談、予防接種)を担う機関として整理しておく。
理解を深める
生活保護は、日本国憲法第25条の生存権を具体化する制度で、8つの扶助(生活、住宅、教育、医療、介護、出産、生業、葬祭)から成る。原理として、国家責任、無差別平等、最低生活の保障、補足性(資産・能力・他の制度をすべて活用してもなお不足する場合に適用)がある。原則として、申請保護、基準および程度、必要即応、世帯単位がある。医療扶助は現物給付で、指定医療機関で受診する。医療機関で働く看護師が関わる場面としては、医療費の支払いが困難な患者に制度を紹介する、医療ソーシャルワーカーにつなぐ、退院後の生活の見通しを一緒に考える、といったことがある。制度の利用には偏見や恥の意識が伴うことがあり、権利であることを伝える姿勢が重要になる。無料低額診療事業を行う医療機関もあり、生活保護に至らない層への選択肢になる。
間違えやすい考え方
所管機関を問う型で、誤肢がすべて地域の相談・支援機関である。根拠法と分野で切る。
5分で振り返る
①福祉事務所は社会福祉法に基づき、都道府県と市に設置義務(町村は任意)。福祉六法の事務を担う。②生活保護では申請の受付、資力調査、決定、支給、ケースワークを行う。③保健所は地域保健法(感染症・精神保健・難病・食品衛生など広域専門的)。④精神保健福祉センターは精神保健福祉法(手帳の判定、自立支援医療の判定)。⑤地域包括支援センターは介護保険法(高齢者の総合相談)。⑥生活保護は8扶助、医療扶助は現物給付。
1分チェック
- 生活保護の実務を行うのは。→ 福祉事務所(社会福祉法に基づく)。
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