健康寿命の説明で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
健康寿命の説明で適切なものを問う。生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばすことである。
この問題で問われていること
健康寿命の定義と、平均寿命との関係を正確に把握しているか。
しくみから理解する
健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義される。生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患など)は、発症すると生活の制限をもたらし、健康寿命を縮める。したがって、その予防(適切な食事、運動、禁煙、節酒、体重管理、健診の受診)は健康寿命の延伸に直結する。健康日本21(第二次以降)でも、健康寿命の延伸と健康格差の縮小が最上位の目標に掲げられている。
選択肢ごとの確認
男性より女性のほうが長い。令和元年の健康寿命は、男性が約72歳、女性が約75歳である。平均寿命も女性のほうが長く、男女差は健康寿命でも同じ方向になる。
令和元年の健康寿命は平成28年より延びており、短くなってはいない。なお健康寿命は信頼区間を伴う推計値で、直近の推計では前回とほぼ横ばいになっている。回ごとの小さな変動を傾向として読まず、比較する2時点を明示して見る。
平均寿命と健康寿命の差は、健康上の問題で日常生活が制限される期間である。設問の選択肢は「制限なく過ごせる期間」としており、意味が逆になる。この差は、男性で約8〜9年、女性で約12年程度あり、女性のほうが長い。この期間を短くすることが、健康寿命延伸の目標になる。
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混同しやすいポイント
選択肢4の『差の意味』が最も重要な引っかけになる。平均寿命=生きる長さ、健康寿命=健康に過ごせる長さ、その差=制限のある期間。この関係を図で描いて確認しておく。女性は平均寿命が長いぶん、制限のある期間も長いという点も押さえる。数値は調査年で動くため、男女差の方向(女性が長い)と、差の年数の水準(男性8〜9年、女性12年程度)で覚える。
理解を深める
健康寿命の算定には、国民生活基礎調査の「日常生活に制限のない期間の平均」が用いられる。ほかに「自分が健康であると自覚している期間の平均」や、介護保険の要介護度を用いた「日常生活動作が自立している期間の平均」といった指標もあり、算定方法により数値が異なる。健康寿命を延ばすための取り組みは、個人の生活習慣だけでなく、社会環境の整備(受動喫煙対策、食環境、運動しやすいまちづくり、社会参加の機会)にも及ぶ。健康格差、すなわち所得、雇用、教育、地域といった社会経済的な要因による健康状態の差を縮めることも、重要な課題になっている。看護師が関わる場面としては、健診後の保健指導、生活習慣病の療養支援、介護予防の教室、地域での健康教育がある。個人の努力を求めるだけでなく、その人が置かれた環境と条件を理解したうえで、実行できる方法を一緒に考える姿勢が求められる。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が男女差の逆・推移の逆・差の意味の取り違えで構成されている。定義と関係を図で持つ。
5分で振り返る
①健康寿命=健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間。②平均寿命との差=制限のある期間(男性8〜9年、女性12年程度)。③健康寿命も平均寿命も女性のほうが長い。④令和元年の健康寿命は平成28年より延びている。ただし各回で必ず延びるわけではなく、直近の推計では前回とほぼ横ばいになっている。⑤生活習慣病の予防が延伸に直結する。⑥健康日本21では健康寿命の延伸と健康格差の縮小が最上位の目標。⑦算定方法により数値が異なる。
1分チェック
- 健康寿命とは。→ 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間。生活習慣病の予防で延びる。
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