成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入で適切なのはどれか。
公式正答:4
解説
成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入で適切なものを問う。陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定することである。
この問題で問われていること
男性の尿道の解剖から、挿入と固定の方法を導けるか。
しくみから理解する
男性の尿道は約16〜20cmと長く、陰茎の付け根付近(尿道球部から膜様部)で自然に屈曲している。カテーテルを留置したまま陰茎を下向きにすると、この屈曲部でカテーテルが尿道壁を圧迫し続け、尿道皮膚瘻や潰瘍を生じる危険がある。そこで、陰茎を頭側(上方)へ向け、カテーテルを下腹部に固定することで屈曲を減らし、圧迫を避ける。挿入時も、陰茎を垂直に持ち上げて尿道の走行をまっすぐに近づけ、抵抗があれば無理に進めない。
選択肢ごとの確認
腹圧をかけるのではなく、口でゆっくり息を吐いてもらう。腹圧をかけると外尿道括約筋が緊張して通過しにくくなり、痛みも強まる。息を吐いてもらうと括約筋が緩む。
男性の尿道長だけを根拠に短い挿入距離で止めると、先端やバルーンが尿道内に残るおそれがある。留置カテーテルでは製品手順に従って十分に進め、尿流を確認する。
尿が流れ始めてもバルーン部が膀胱内に完全に入っていないことがある。男性では分岐部または製品指定位置まで十分に進め、尿流と抵抗・疼痛の有無を確認してから膨らませる。
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混同しやすいポイント
誤肢3つは、いずれも実際に事故につながる誤りである。とくに選択肢3のバルーンの早期膨張は、尿道損傷という重大な合併症を起こす。手技の各段階に、なぜそうするのかという理由がある。腹圧をかけない=括約筋を緩める、十分に挿入する=膀胱に確実に到達させる、流出後さらに進める=バルーンを膀胱内で膨らませる、頭側に固定する=屈曲部の圧迫を防ぐ。
理解を深める
膀胱留置カテーテルは、尿路感染の重大な原因になる。カテーテル関連尿路感染の予防としては、そもそも留置しない(適応を厳格にする)、留置したら毎日必要性を評価して早期に抜去する、挿入時は無菌操作で行う、閉鎖式の回路を維持する(採尿バッグとの接続を外さない)、採尿バッグは膀胱より低い位置に保ち床につけない、逆流を防ぐ、陰部を清潔に保つ、といった原則がある。定期的な交換や、消毒薬による膀胱洗浄は、感染予防としての効果が乏しく推奨されない。留置中の観察としては、尿量、色、混濁、浮遊物、においの変化、発熱、腰背部痛、カテーテルの閉塞や屈曲、挿入部周囲の状態がある。抜去後は、自排尿の有無と量、残尿感を確認する。長期留置では、結石の形成、膀胱の萎縮、尿道の損傷といった問題も生じるため、間欠的導尿への移行を検討する場面もある。
間違えやすい考え方
手技を問う型で、誤肢が呼吸・長さ・バルーンの時期の誤りである。解剖と各手順の理由から導く。
5分で振り返る
①男性の尿道留置カテーテルは製品手順に従い、分岐部またはハブ近くまで十分に進める。②尿流を確認し、膀胱内にあることを確かめてからバルーンを膨らませる。③疼痛、抵抗、尿流なしでは膨らませず中止して確認する。④間欠導尿カテーテルにはバルーンはない。⑤固定と閉鎖式回路を保つ。
1分チェック
- 男性のカテーテル固定はどこか。→ 陰茎を頭側に向けて下腹部に固定(屈曲部の圧迫を防ぐ)。
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