排痰を促す目的で行うのはどれか。
公式正答:2
解説
排痰を促す目的で行うものを問う。スクイージングである。
この問題で問われていること
排痰の手技を、他の技法と区別できるか。
しくみから理解する
スクイージングは、呼気に合わせて胸郭を圧迫し、呼気の流速を高めることで、末梢の分泌物を中枢の気道へ移動させる手技である。呼気に同調させる点が重要で、吸気時には圧迫を解除する。体位ドレナージ(分泌物の貯留している肺区域を上にする体位をとり、重力で移動を促す)と組み合わせると効果が高まる。その後、咳嗽やハフィング、必要に応じて吸引によって痰を体外へ出す。実施の前後で呼吸音を聴診し、分泌物の位置と量の変化を確認する。
選択肢ごとの確認
タッチングは、手で触れることによって安心感を与え、不安や苦痛を和らげる関わりである。コミュニケーションの技法であり、排痰を目的とするものではない。
漸進的筋弛緩法は、筋肉に意図的に力を入れてから抜くことを繰り返して、緊張を自覚し緩和するリラクセーションの技法である。不安や不眠、疼痛への対応に用いられる。排痰の手技ではない。
持続的気道陽圧(CPAP)療法は、気道に持続的に陽圧をかけて、虚脱した気道や肺胞を開いた状態に保つ治療である。睡眠時無呼吸症候群、急性心原性肺水腫、無気肺に用いられる。酸素化の改善が目的であり、排痰を主目的とするものではない。
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混同しやすいポイント
誤肢はいずれも看護や治療で用いられる技法だが、目的が異なる。タッチング=心理的な支援、漸進的筋弛緩法=リラクセーション、持続的気道陽圧療法=酸素化の改善。設問が『排痰を促す目的』と限定しているので、分泌物の移動に直接働きかけるものを選ぶ。
理解を深める
排痰を促すには、複数の要素を組み合わせる。まず、痰を出しやすい状態にすること(十分な水分、加湿、去痰薬、ネブライザー)。次に、分泌物を末梢から中枢へ移動させること(体位ドレナージ、スクイージング、軽打法、振動法、呼吸介助)。最後に、体外へ出すこと(有効な咳嗽、ハフィング、吸引)。この順序で考えると、どの段階に問題があるかが見える。咳嗽力が弱い患者では、腹部を支えて咳をしてもらう、咳嗽介助を行う、機械による排痰補助を用いるといった方法がある。術後の患者では、創部を押さえて咳をすることで痛みが減り、有効な咳嗽が可能になる。スクイージングの実施にあたっては、肋骨骨折、骨転移、皮下気腫、循環動態が不安定な状態、出血傾向では慎重を要する。強すぎる圧迫は肋骨骨折を招くため、呼気の動きに合わせて自然に胸郭が縮む方向へ、無理なく行う。実施中は、呼吸状態、酸素飽和度、表情、疼痛を観察する。
間違えやすい考え方
手技の目的を問う型で、誤肢がすべて別の目的の技法である。分泌物の移動に働くかで切る。
5分で振り返る
①スクイージングは呼気に同調して胸郭を圧迫し、呼気流速を高めて分泌物を中枢へ移動させる。②吸気時は圧迫を解除する。③体位ドレナージと組み合わせると効果が高い。④その後、咳嗽・ハフィング・吸引で体外へ出す。⑤タッチングは心理的支援、漸進的筋弛緩法はリラクセーション、持続的気道陽圧療法は酸素化の改善。⑥肋骨骨折・骨転移・循環動態不安定では慎重に。⑦実施の前後で呼吸音を聴診して効果を確認する。
1分チェック
- 排痰を促す手技は。→ スクイージング(呼気に合わせて胸郭を圧迫し呼気流速を高める)。
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