成人のがん患者が痛みの程度を数値で回答するスケールはどれか。
公式正答:2
解説
成人のがん患者が痛みの程度を数値で回答するスケールを問う。NRSである。
この問題で問われていること
疼痛評価スケールを、回答の形式で区別できるか。
しくみから理解する
NRS(Numerical Rating Scale、数値評価スケール)は、痛みを0(痛みなし)から10(想像できる最悪の痛み)までの11段階の数値で答えてもらう方法である。口頭でも実施でき、記録と比較が容易で、成人のがん疼痛の評価で広く用いられる。設問が「数値で回答する」と明示しているので、これが答えになる。同じ人の経過を追う(治療前後の変化を見る)ことに適しており、他人との比較には用いない。
選択肢ごとの確認
フェイススケールは、顔の表情の絵を並べ、今の痛みに近いものを指してもらう方法である。数値ではなく絵で答えるため、小児、認知機能の低下した高齢者、言語による表現が難しい人に用いられる。
VAS(Visual Analogue Scale、視覚的アナログスケール)は、10cmの直線の左端を「痛みなし」、右端を「最悪の痛み」として、今の痛みの位置に印をつけてもらう方法である。印までの距離を測って評価するため、回答自体は数値ではなく位置になる。紙と筆記具が必要で、視力と手の機能を要する。
VRS(Verbal Rating Scale、言語評価スケール)は、「痛みなし」「少し痛い」「痛い」「かなり痛い」「耐えられない」といった言葉の選択肢から選んでもらう方法である。数値ではなく言葉で答える。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
4つのスケールを、回答の形式で分ける。NRS=数値(0〜10)、VAS=直線上の位置、VRS=言葉の段階、フェイススケール=顔の絵。設問が「数値で回答する」と条件を示しているので、NRSが一意に決まる。それぞれの適応(年齢、認知機能、視力、手の機能)も対で覚える。
理解を深める
がん疼痛の評価では、強さだけでなく、部位、性質(引き裂かれるような、灼けるような、締めつけるような、電気が走るような)、時間的な経過(持続痛か突出痛か)、増悪因子と軽快因子、日常生活への影響、鎮痛薬の効果と副作用を確認する。神経障害性疼痛(電気が走る、しびれる)は、通常の鎮痛薬が効きにくく、鎮痛補助薬を要する。突出痛には速放性の製剤(レスキュードーズ)を用いる。世界保健機関の指針では、鎮痛薬は経口的に、時刻を決めて規則正しく、患者ごとの量で、細かい配慮をもって投与するという原則が示されている(かつての三段階除痛ラダーは、現在は必ずしも段階を追わず、痛みの強さに応じて開始する考え方に更新されている)。看護師は、定期的に評価して記録し、その推移をチームで共有する。痛みの評価は本人の主観が基準であり、他覚的な所見と食い違っても、本人の訴えを疑わない姿勢が基本になる。
間違えやすい考え方
スケールを問う型で、誤肢がすべて別の形式の疼痛評価スケールである。回答の形式で切る。
5分で振り返る
①NRS=0〜10の数値で回答。口頭で可能、記録と比較が容易。②VAS=10cmの直線上に印をつける(距離を測る)。③VRS=言葉の段階から選ぶ。④フェイススケール=顔の絵から選ぶ(小児、認知機能低下)。⑤同じ人の経過を追うために使い、他人と比較しない。⑥評価は強さ・部位・性質・時間経過・生活への影響を含む。⑦痛みの評価は本人の主観が基準。
1分チェック
- 痛みを数値で答えてもらうスケールは。→ NRS(0〜10の11段階)。
この問題に対応する教材の確認中です。