自助具を図に示す。 関節リウマチ〈rheumatoid arthritis〉 によって肩関節に痛みがある患者の関節への負担を軽減する自助具で適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
自助具の図から、関節リウマチによって肩関節に痛みがある患者の関節への負担を軽減するものを選ぶ。公式正答は②である。
この問題で問われていること
関節保護の原則から、適する自助具を選べるか。
しくみから理解する
肩関節に痛みがある場合、負担を減らす方向は、肩を大きく動かさずに目的の動作を行えるようにすることになる。具体的には、柄を長くして手を伸ばす範囲を広げる(長柄のブラシ、長柄の靴べら、リーチャー)、角度を変えて持ちやすくする(柄が曲がったスプーンやくし)、そして道具を軽くすることが挙げられる。とくに、洗髪、整髪、更衣、足元の物を取るといった動作は、肩の外転と屈曲を大きく要するため、柄を長くした自助具が有効になる。関節リウマチでは、痛みのある関節を無理に動かすと炎症と変形が進むため、動作の方法そのものを変えることが治療の一部になる。
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混同しやすいポイント
自助具の選択では、「どの関節の、どの動きを、どう減らすか」を明確にすることが要点になる。同じ関節リウマチでも、手指の変形が主であれば太柄や把持を補う道具、手関節であればスプリント、膝であれば高い座面や長柄の道具、と選ぶものが変わる。この設問は肩関節に限定しており、肩の可動域を大きく使わずに済む道具が答えになる。
理解を深める
関節リウマチにおける関節保護の原則は、日常生活の全般に及ぶ。①痛みのある関節を無理に使わない(痛みが2時間以上続く活動は過負荷と判断する)。②大きい関節と広い面で力を受ける(手指でつまむより手掌で持つ、腕で抱える)。③関節を変形の方向へ押す力を避ける(瓶のふたを開ける、雑巾を絞るといった動作は、手指の尺側偏位を助長するため道具を使う)。④同じ姿勢を長く続けない、こまめに休む。⑤重い物を持たず、押す・滑らせる・道具を使う。⑥動作を分割し、一度に行わない。⑦環境を整える(手すり、高い椅子、軽い調理器具)。自助具の例としては、太柄のスプーンとフォーク、長柄のブラシと靴べら、リーチャー、ソックスエイド、ボタンエイド、ジャーオープナー、レバー式の蛇口とドアノブ、そして電動歯ブラシがある。看護と作業療法の連携により、その人の生活動作を実際に確認して選ぶことが重要になる。また、朝のこわばりが強い時間帯を避けて活動を組む、疼痛と炎症の管理(薬物療法の継続)、そして関節可動域の維持のための運動を、痛みのない範囲で行うことも含めて支援する。
間違えやすい考え方
図から自助具を選ぶ型で、肩の可動域を大きく使わない道具という原則で判断できる。図中のどれが正答②かは別冊で要確認。
5分で振り返る
①肩関節の負担を減らすには、肩を大きく動かさずに目的を達する道具を選ぶ(長柄のブラシ、長柄の靴べら、リーチャー)。②関節保護の原則=痛む関節を無理に使わない、大きい関節と広い面で力を受ける、変形の方向へ押す力を避ける、同じ姿勢を続けない、重い物を持たない、動作を分割する、環境を整える。③痛みが2時間以上続く活動は過負荷。④手指の尺側偏位を助長する動作(瓶のふた、雑巾絞り)は道具で置き換える。⑤自助具=太柄、リーチャー、ソックスエイド、ボタンエイド、ジャーオープナー、レバー式の蛇口。⑥朝のこわばりの強い時間帯を避けて活動を組む。⑦関節可動域の運動は痛みのない範囲で行う。
1分チェック
- 肩関節の痛みに適する自助具は。→ 柄を長くして肩を大きく動かさずに済むもの。
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