高齢者の医療の確保に関する法律の内容で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
高齢者の医療の確保に関する法律の内容で正しいものを問う。後期高齢者の医療給付の内容は国民健康保険と同じであることである。
この問題で問われていること
制度の実施主体・負担・給付内容を正確に把握しているか。
しくみから理解する
後期高齢者医療制度では、療養の給付、入院時食事療養費、訪問看護療養費、高額療養費といった給付の内容が、国民健康保険と基本的に同じ構成になっている。異なるのは、運営主体(都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合)、被保険者の範囲(75歳以上、および65〜74歳で一定の障害があり認定を受けた者)、保険料の算定方法、財源の構成(公費約5割、現役世代からの支援金約4割、保険料約1割)である。給付の中身そのものは他の医療保険と揃えられており、受けられる医療に差がない設計になっている。
選択肢ごとの確認
医療の給付を行うのは市町村ではなく、都道府県ごとに設立された後期高齢者医療広域連合である。市町村は、保険料の徴収、申請と届出の受付、被保険者証の引き渡しといった窓口業務を担う。運営と窓口が分かれている点が特徴になる。
自己負担は一律3割ではない。原則1割で、一定以上の所得がある者は2割、現役並み所得者は3割となる。年齢と所得に応じて段階が設けられている。
がん検診は高齢者医療確保法ではなく健康増進法に基づき、市町村が実施する。高齢者医療確保法が定めるのは、40歳以上75歳未満の被保険者と被扶養者に対する特定健康診査と特定保健指導である。メタボリックシンドロームに着目した健診であり、がん検診とは目的も根拠法も異なる。
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混同しやすいポイント
誤肢3つが、それぞれ実施主体・負担割合・健診の種類という別の論点になっている。整理すると、運営=広域連合(市町村は窓口)、負担=1割・2割・3割の段階、健診=特定健康診査(がん検診は健康増進法)。この3点を押さえると確実に切れる。
理解を深める
高齢者医療確保法は、かつての老人保健法を改正して2008年から施行された。目的は、医療費の適正化の推進と、高齢者の医療の確保にある。二本柱として、①40歳以上75歳未満を対象とする特定健康診査・特定保健指導(生活習慣病の予防による医療費の適正化)、②75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度(独立した医療保険制度)を定める。特定健康診査では、腹囲、体格指数、血圧、脂質、血糖、肝機能、尿検査などを行い、結果に応じて動機付け支援または積極的支援の保健指導が行われる。看護職はこの保健指導の実施者として関わる。後期高齢者医療制度については、財源の構成上、現役世代の負担と高齢者の負担のバランスが政策上の論点になり続けており、自己負担割合の見直しも行われてきた。看護師が関わる場面としては、入院費用や在宅療養の費用に関する相談を受けたとき、高額療養費制度や限度額適用認定証の案内をし、医療ソーシャルワーカーにつなぐことがある。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が実施主体・負担割合・健診の種類の誤りである。3点の対応で切る。
5分で振り返る
①給付の内容(療養の給付、食事療養費、訪問看護療養費、高額療養費)は国民健康保険と同じ。②運営は都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合、市町村は窓口業務。③被保険者は75歳以上と、65〜74歳で一定の障害の認定を受けた者。④自己負担は原則1割、一定所得で2割、現役並み所得で3割。⑤財源は公費5割・現役世代の支援金4割・保険料1割。⑥同法は40〜74歳の特定健康診査・特定保健指導も定める。⑦がん検診は健康増進法に基づき市町村が実施。
1分チェック
- 後期高齢者医療制度の給付内容は。→ 国民健康保険と同じ。運営は広域連合、自己負担は1〜3割。
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