Bowlby〈ボウルビィ〉が提唱したアタッチメントの記述で正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
ボウルビィが提唱したアタッチメントの記述で正しいものを問う。人見知りは6、7か月の乳児に出現することである。
この問題で問われていること
愛着理論の内容を、時期と概念で正確に把握しているか。
しくみから理解する
アタッチメント(愛着)は、乳児が特定の養育者との間に築く情緒的な結びつきを指す。生後6〜7か月頃になると、乳児は特定の養育者を他の人と明確に区別できるようになり、見知らぬ人に対して警戒や不安を示す。これが人見知りで、養育者への愛着が形成されたことの現れになる。同じ時期に、養育者が離れると泣く分離不安も現れる。いずれも正常な発達の指標であり、この時期の乳児が誰にでも同じように反応する場合は、むしろ愛着形成の遅れを疑う。
選択肢ごとの確認
安全基地は、家の中の物理的な居場所ではなく、愛着対象そのものを指す概念である。子どもは、養育者という安全基地があることで安心して外界を探索し、不安になれば戻ってくる。この往復を通じて、探索の範囲が広がっていく。物理的な場所ではなく、関係のあり方を表す語である。
不特定の他者ではなく、特定の人物との間に築かれる結びつきである。誰にでも同じように接近する状態(無差別的な愛着)は、愛着障害の特徴とされる。特定の対象を選ぶという点が、アタッチメントの本質になる。
分離で生じる行動の第一段階は「絶望」ではなく「抗議」である。ロバートソンとボウルビィは、分離への反応を、抗議(激しく泣き、養育者を求め、他者の慰めを拒む)、絶望(泣かなくなり、無気力になる)、脱愛着(養育者が戻っても関心を示さない)の3段階で記述した。順序を取り違えないようにする。
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混同しやすいポイント
誤肢は、概念の取り違え(安全基地)、対象の取り違え(不特定)、順序の取り違え(絶望が第一段階)で構成されている。愛着理論の要点は、①特定の対象との結びつきであること、②安全基地として探索を支えること、③分離への反応は抗議→絶望→脱愛着の順であること、④6〜7か月頃に人見知りと分離不安として現れること、の4点になる。
理解を深める
愛着理論は、小児医療の実践を大きく変えた。かつては、入院した子どもへの面会が制限され、親と離すことが治療上望ましいと考えられていた時期があった。しかし分離への反応が明らかになったことで、家族の付き添いと面会の自由化が進んだ。エインズワースは、ストレンジ・シチュエーション法という観察法を用いて、愛着の型を、安定型、回避型、アンビバレント(抵抗)型の3つに分類した。無秩序・無方向型は、このどれにも当てはまらない子どもがいることから、後の研究者によって第4の型として追加されたものになる。無秩序型は、虐待やネグレクトを受けた子どもにみられやすく、その後の対人関係と精神的健康への影響が大きいとされる。看護の場面では、入院中の子どもの分離不安に配慮し、親の付き添いを支援し、難しい場合は、慣れ親しんだ物を置く、同じ看護師が関わる、写真や声を活用する、遊びを通じて関係をつくるといった方法をとる。親自身が不安を抱えていることも多く、親への支援が子どもへの支援にもなる。
間違えやすい考え方
理論の内容を問う型で、誤肢が概念・対象・順序の取り違えである。愛着理論の4つの要点で切る。
5分で振り返る
①アタッチメント=特定の養育者との情緒的な結びつき。②人見知りと分離不安は生後6〜7か月頃に現れ、愛着形成の証。③安全基地は物理的な場所ではなく愛着対象そのもの(探索を支える)。④誰にでも同じように接近するのは愛着障害の特徴。⑤分離への反応は抗議→絶望→脱愛着の順。⑥エインズワースの分類は安定型・回避型・アンビバレント型の3つ。無秩序・無方向型は後に追加された第4の型。⑦入院時は付き添いと面会の支援が重要。
1分チェック
- 人見知りはいつ現れるか。→ 生後6、7か月頃(愛着形成の証で正常な発達)。
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