法律で定められている育児時間に関する説明で正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
法律で定められている育児時間に関する説明で正しいものを問う。1日に2回請求できることである。
この問題で問われていること
育児時間の規定を、根拠法と要件で正確に把握しているか。
しくみから理解する
労働基準法では、生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほかに、1日2回、それぞれ少なくとも30分の育児時間を請求できると定めている。もともとは授乳のための時間として設けられた規定で、請求があれば使用者はその時間中に労働させてはならない。まとめて1回60分として取得することも、始業時や終業時に寄せて取得することも、労使の合意があれば可能とされている。
選択肢ごとの確認
根拠法は育児・介護休業法ではなく労働基準法である。育児・介護休業法は、育児休業、子の看護等休暇、所定外労働の制限、短時間勤務といった制度を定める。育児時間は労働基準法の母性保護の規定に位置づけられる。
請求できるのは子が1歳6か月ではなく、生後満1年に達しないまでである。1歳6か月というのは、育児・介護休業法における育児休業の延長の要件(保育所に入所できない場合など)に出てくる数値であり、混同しやすい。
請求できるのは女性のみである。労働基準法の育児時間は、授乳を想定した母性保護の規定であるため、対象が女性に限られている。父親も育児に関わる制度を利用できるが、それは育児・介護休業法の育児休業や短時間勤務によることになる。この点は、現在の育児のあり方との関係で議論のある部分でもある。
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混同しやすいポイント
母性保護に関わる規定が、労働基準法と育児・介護休業法と男女雇用機会均等法の3つに分かれている点が、この分野の難しさになる。労働基準法=産前産後休業、育児時間、危険有害業務の制限、時間外・深夜業の制限。育児・介護休業法=育児休業、介護休業、子の看護等休暇、短時間勤務。男女雇用機会均等法=健康診査の時間の確保、医師の指導に基づく措置。育児時間は労働基準法、と対応づける。
理解を深める
労働基準法の母性保護の規定を整理する。産前休業は6週間(多胎妊娠は14週間)で、本人の請求により取得する。産後休業は8週間で、原則として就業させてはならない(ただし産後6週間を経過し、本人が請求し医師が認めた業務には就ける)。妊産婦は、危険有害業務への就業が制限され、坑内業務も制限される。妊娠中の女性が請求すれば、軽易な業務への転換が認められる。妊産婦が請求すれば、時間外労働、休日労働、深夜業をさせてはならない。変形労働時間制の場合も、法定労働時間を超えて働かせてはならない。生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合は、就業させてはならない。育児時間は、生後満1年未満の生児を育てる女性が1日2回各30分請求できる。このうち、産前休業、軽易な業務への転換、時間外・休日・深夜業の制限、生理日の休暇、そして育児時間は、本人の請求によって発生する権利であり、本人が知らなければ使えない。一方、産後8週間の就業禁止と、妊産婦の危険有害業務・坑内業務の就業制限は、請求によらず使用者に課される禁止になる。看護師が妊婦や産後の女性に関わる場面では、こうした制度を知っていることが、その人が働き続ける選択を支えることにつながる。
間違えやすい考え方
法令の規定を問う型で、誤肢が根拠法・期間・対象の誤りである。3つの法律の役割分担で切る。
5分で振り返る
①育児時間は労働基準法の規定。②生後満1年に達しない生児を育てる女性が対象(父親は対象外)。③1日2回、それぞれ少なくとも30分。④育児休業と短時間勤務は育児・介護休業法、健診の時間確保は男女雇用機会均等法。⑤産前6週(多胎14週)は請求により、産後8週は原則就業禁止。⑥妊産婦が請求すれば時間外・休日・深夜業は不可。⑦育児時間、産前休業、時間外・休日・深夜業の制限は、請求によって発生する権利。産後8週間の就業禁止と、妊産婦の危険有害業務の就業制限は、請求によらず使用者に課される禁止。
1分チェック
- 育児時間は。→ 労働基準法。生後1年未満の生児を育てる女性が、1日2回各30分以上請求できる。
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