正常新生児の卵円孔の機能的閉鎖に関する説明で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
卵円孔を閉じるのは圧の変化。肺血流が増えて左心房圧が上がり、弁が押し閉じられる。動脈管とは閉じる仕組みが違う。
この問題で問われていること
卵円孔と動脈管で閉鎖の引き金が違うことを区別できるか。前者は圧、後者は酸素分圧。
しくみから理解する
出生して第一呼吸が起こると肺が膨らみ、肺血管抵抗が急激に下がる。すると肺への血流が一気に増え、肺静脈から左心房へ戻る血液量が増えて左心房圧が上昇する。同時に臍帯が切れて胎盤循環がなくなるため、下大静脈から右心房へ戻る血液が減って右心房圧が下がる。この圧の逆転により、卵円孔をふさぐ弁(第一中隔由来の卵円孔弁)が心房中隔に押しつけられて閉じる。これが機能的閉鎖で、出生直後に起こる。一方、動脈管は動脈血酸素分圧の上昇とプロスタグランジンE2の低下によって平滑筋が収縮して閉じる。仕組みが別である。
選択肢ごとの確認
これは動脈管の閉鎖機序。動脈管の平滑筋は酸素分圧の上昇で収縮する。卵円孔は弁が圧で押されて閉じるので、酸素分圧は直接の引き金ではない。
肺血流が増える→肺静脈から左心房へ戻る血液が増える→左心房圧が右心房圧を上回る→卵円孔弁が押し閉じられる。
機能的閉鎖は出生直後(第一呼吸に伴って)起こる。数か月から1年かけて起こるのは解剖学的閉鎖のほう。設問が「機能的閉鎖」と限定している。
両者は独立して閉じる。動脈管が閉じたから卵円孔が閉じるという因果関係はない。むしろどちらも「肺呼吸の開始」という共通の原因から並行して起こる。
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混同しやすいポイント
「機能的閉鎖」と「解剖学的閉鎖」の区別がついていないと3を選ぶ。機能的=血液が通らなくなること(出生直後)、解剖学的=組織が癒合して構造がなくなること(数か月〜1年)。動脈管も同じで、機能的閉鎖は生後数時間〜数日、解剖学的閉鎖は生後2〜3か月。
理解を深める
新生児の呼吸循環の適応は、第一呼吸を起点にした連鎖として理解できる。第一呼吸→肺が膨らむ→肺血管抵抗が低下→肺血流が増加→左心房圧が上昇。同時に臍帯結紮→胎盤循環の消失→体血管抵抗が上昇・右心房圧が低下。この2つで卵円孔が閉じ、動脈管は酸素分圧上昇で閉じる。低酸素や早産ではこの適応が進まず、動脈管開存症や新生児遷延性肺高血圧症になる。動脈管を開いたままにしたい先天性心疾患ではプロスタグランジンE1を投与し、逆に閉じたいときはインドメタシンを使うのも、この機序に基づく。
間違えやすい考え方
似た2つの構造(卵円孔と動脈管)の閉鎖機序を入れ替える型と、「機能的」「解剖学的」の限定語を読み飛ばさせる型を重ねている。設問の限定語には必ず線を引く。
5分で振り返る
第一呼吸→肺膨張→肺血管抵抗低下→肺血流増加→左心房圧上昇。臍帯結紮→胎盤循環消失→右心房圧低下。この圧の逆転で卵円孔弁が押し閉じられる(機能的閉鎖・出生直後)。解剖学的閉鎖は数か月〜1年で卵円窩になる。動脈管は酸素分圧の上昇とプロスタグランジンE2の低下で平滑筋が収縮して閉じる(機能的閉鎖は生後数時間〜数日、解剖学的閉鎖は2〜3か月)。
1分チェック
- 卵円孔の機能的閉鎖を起こすのは何か
- 動脈管の閉鎖を起こすのは何か
- 機能的閉鎖と解剖学的閉鎖の違いは何か
- 卵円孔の解剖学的閉鎖はいつ完了するか
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