自殺対策基本法について正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
自殺対策基本法について正しいものを問う。自殺対策強化月間を設けることを定めていることである。
この問題で問われていること
法律が定めている内容を、他の施策と区別できるか。
しくみから理解する
自殺対策基本法は、自殺対策を総合的に推進し、自殺の防止と、自殺者の親族等への支援の充実を図ることを目的とする。同法は、毎年9月10日から9月16日までを自殺予防週間、毎年3月を自殺対策強化月間と定め、この期間に集中的な啓発活動を行うことを規定している。3月は、統計上、自殺者数が最も多い月であることを踏まえて設定された。ほかに、国と地方公共団体の責務、都道府県と市町村による自殺対策計画の策定の義務、調査研究の推進、人材の確保と養成、心の健康の保持に係る体制の整備を定める。
選択肢ごとの確認
ゲートキーパーの養成は、自殺総合対策大綱(法に基づいて政府が定める指針)や自治体の施策として推進されているが、法が「国の責務としてゲートキーパーの養成」を条文で定めているわけではない。ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聴いて、必要な支援につなぎ、見守る人を指す。特別な資格ではなく、誰でもなりうる。
地域自殺対策推進センターは、民間団体ではなく都道府県および指定都市が設置する。国には自殺総合対策推進センター(現在は指定調査研究等法人)が置かれ、調査研究と地域への支援を行う。
職場のハラスメントの防止に必要な措置を事業主に義務づけているのは、労働施策総合推進法(いわゆるパワーハラスメント防止法)、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法である。自殺対策基本法の規定ではない。
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混同しやすいポイント
法が直接定めていることと、法に基づく大綱や施策で進められていることを区別する必要がある。条文レベルで定められているのは、週間と月間、計画の策定義務、責務、調査研究、人材の養成、体制の整備といった枠組みである。ゲートキーパーの養成やセンターの設置主体といった具体は、大綱や関連法令で定まる。誤肢は、この区別と、設置主体の取り違え、他の法律との混同で構成されている。
理解を深める
自殺の背景には、健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題が複合的に関わることが多い。うつ病をはじめとする精神疾患が関与する例が多いが、それだけでは説明できず、社会的な要因への対策が重視される。看護職が関わる場面としては、救急外来での自殺企図後の対応、精神科での治療、地域での相談、産業保健、学校保健がある。自殺のリスクを評価する際は、直接尋ねることが原則になる。「死にたいと思うことがありますか」と聞くことが自殺を誘発するというのは誤解で、むしろ話せる機会をつくることが支援につながる。TALKの原則(Tell:心配していると伝える、Ask:自殺について直接尋ねる、Listen:傾聴する、Keep safe:安全を確保する)が広く用いられる。自殺企図後の患者は、身体的治療を受ける場で、否定的な態度を向けられることがある。その体験が次の企図につながりうるため、医療者の態度そのものが介入になるという認識が必要になる。遺された人(自死遺族)への支援も、法の目的に含まれている。
間違えやすい考え方
法の内容を問う型で、誤肢が施策との混同・設置主体の誤り・他法との混同である。条文レベルの枠組みで切る。
5分で振り返る
①自殺対策基本法は自殺予防週間(9月10〜16日)と自殺対策強化月間(3月)を定める。②都道府県と市町村に自殺対策計画の策定を義務づける。③地域自殺対策推進センターは都道府県・指定都市が設置。④ゲートキーパーの養成は大綱や施策で推進(誰でもなりうる)。⑤職場のハラスメント防止は労働施策総合推進法など別の法律。⑥背景は健康・経済生活・家庭・勤務の問題が複合する。⑦リスクは直接尋ねてよい(TALKの原則)。
1分チェック
- 自殺対策基本法が定めるのは。→ 自殺予防週間(9月10〜16日)と自殺対策強化月間(3月)。
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