てんかん epilepsy について正しいのはどれか。2つ選べ。
公式正答:2・5
解説
てんかんについて正しいものを2つ問う。症候性てんかんは脳内病変を伴うことと、脳の神経細胞の発作性電気的興奮によって起こることである。
この問題で問われていること
てんかんの定義と分類を正確に把握しているか。
しくみから理解する
てんかんは、大脳の神経細胞が過剰かつ同期して発火することにより、反復性の発作を起こす慢性の脳の疾患である。原因が特定できるもの(脳腫瘍、脳血管障害、外傷、感染、先天奇形など)を症候性てんかん、明らかな原因が特定できないものを特発性てんかんという。症候性では、画像検査で脳内の病変が確認される。近年の分類では、素因性(遺伝的)、構造的、代謝性、免疫性、感染性、原因不明といった病因による分類が用いられるが、症候性と特発性という区分も臨床で広く使われている。
選択肢ごとの確認
てんかんとけいれんは同義ではない。けいれんは筋の不随意な収縮という症状を指す語であり、てんかん以外の原因(熱性けいれん、低血糖、低カルシウム血症、薬物、失神に伴うもの)でも起こる。逆に、てんかん発作にはけいれんを伴わないもの(欠神発作、複雑部分発作、自律神経発作)も多い。両者は重なるが別の概念になる。
単純部分発作では意識障害を認めない。部分発作(焦点発作)のうち、意識が保たれるものが単純部分発作、意識障害を伴うものが複雑部分発作である。単純部分発作では、片側の手足のけいれん、感覚異常、自律神経症状、精神症状が現れるが、本人はその間の出来事を覚えている。
特発性の全般てんかんは高齢者ではなく、小児から思春期に発症することが多い。欠神発作、若年ミオクロニーてんかんなどが代表になる。高齢者に多いのは、脳血管障害や腫瘍を原因とする症候性の部分発作である。
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混同しやすいポイント
誤肢は、概念の混同(けいれんとの同一視)、分類の取り違え(単純部分発作と複雑部分発作)、年齢の取り違えで構成されている。てんかんの分類を、発作型(部分発作と全般発作)と、原因(症候性と特発性)の2つの軸で整理しておく。部分発作=単純(意識あり)と複雑(意識障害あり)、二次性全般化。全般発作=強直間代発作、欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作。
理解を深める
発作時の看護は、まず安全の確保になる。周囲の危険物を除き、頭部を保護し、衣類を緩める。口の中に物を入れてはならない(舌を噛むのを防ぐという目的で行われることがあるが、歯の損傷、窒息、介助者の受傷を招く)。無理に押さえつけない。発作の様子(開始した部位、左右差、持続時間、意識の有無、眼球や頭部の偏位、失禁、発作後の状態)を観察して記録する。この記録が診断に直結する。発作が5分以上続く、または意識が戻らないうちに繰り返す場合はてんかん重積状態で、緊急に薬物治療を要する。日常の管理では、服薬の継続(自己中断は発作の誘因として最も多い)、睡眠不足と過労、飲酒、光刺激といった誘因の回避、そして生活上の配慮(入浴時の見守り、水泳や高所での作業、自動車の運転に関する法的な要件)を指導する。運転については、一定期間発作がないことなどの条件のもとで可能になるため、正確な情報を伝えることが重要になる。
間違えやすい考え方
2つ選べの型で、誤肢が概念の混同・分類の取り違え・年齢の誤りである。定義と2つの分類の軸で切る。
5分で振り返る
①てんかん=大脳の神経細胞の過剰で同期した発火による反復性の発作。②症候性=脳内病変など原因が特定できる、特発性=原因不明。③てんかんとけいれんは別概念(けいれんを伴わない発作もある)。④単純部分発作は意識が保たれる、複雑部分発作は意識障害を伴う。⑤特発性全般てんかんは小児から思春期に多い、高齢者は症候性の部分発作。⑥発作時は安全確保、口に物を入れない、押さえつけない、様子を記録する。⑦5分以上続けばてんかん重積状態。
1分チェック
- 症候性てんかんとは。→ 脳内病変など原因が特定できるてんかん(特発性は原因不明)。
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