第二次性徴が発現し始めた思春期に関心が向くのはどれか。
公式正答:3
解説
第二次性徴が発現し始めた思春期に関心が向くものを問う。自己の身体の変化である。
この問題で問われていること
各発達段階の関心事を、時期と対応づけられるか。
しくみから理解する
思春期には、性ホルモンの分泌が急増し、身体が急速に変化する。男性では精巣と陰茎の発育、変声、発毛、射精。女性では乳房の発達、発毛、初経、体型の丸みを帯びた変化が現れる。この変化は自分の意思とは無関係に進み、他者からも見える形をとるため、本人の関心は自分の身体そのものへ強く向かう。他人と比べて早いか遅いか、普通かどうかが大きな関心事になり、自己像と自尊心に直結する。この時期の身体への関心は、正常な発達過程の一部になる。
選択肢ごとの確認
善悪の区別への関心は、より早い時期(幼児期から学童期)に育つ。コールバーグの道徳性の発達段階では、罰を避けるための判断から、規則を守る段階、社会の秩序を考える段階へと進む。思春期にはより抽象的な倫理観へ発展するが、第二次性徴の発現期の中心的な関心ではない。
仕事と家庭の両立は、成人期(壮年期)の課題になる。エリクソンの発達段階では、成人期初期の親密性、壮年期の生殖性(次世代を育てること)にあたる。
経済力の確保と維持も成人期以降の関心事になる。思春期は経済的にはまだ保護される立場にある。
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混同しやすいポイント
発達段階ごとの関心と課題を、エリクソンの理論で整理すると対応づけやすい。乳児期=基本的信頼、幼児期前期=自律性、幼児期後期=自主性、学童期=勤勉性、青年期=自我同一性、成人期初期=親密性、壮年期=生殖性、老年期=統合性。思春期から青年期は自我同一性の確立が課題であり、その出発点に身体の変化への関心がある。誤肢は、より早い時期の課題と、より後の時期の課題で構成されている。
理解を深める
思春期の身体の変化には、標準的な順序がある。女性では、乳房の発育、陰毛の発生、身長の急増、初経が、おおむねこの順に現れ始める。ただし直列に起こるのではなく重なり合って進み、身長の急増は乳房の発育が始まる頃から始まって、そのピークを過ぎた頃に初経が訪れる。「いつ始まるか」と「いつ最も速いか」を分けて見る。男性では、精巣の発育、陰茎の発育と陰毛、身長の急増、変声と精通が、おおむねこの順に現れ始める。こちらも重なり合って進む。男性のほうが開始が2年程度遅く、身長の急増期も遅い。この時期の関わりでは、変化が正常であることを伝えること、個人差が大きいことを保証すること、そして本人が相談できる関係を作ることが重要になる。身体の変化への戸惑いは口に出しにくく、誤った情報を得ていることも多い。あわせて、性に関する正しい知識(月経の仕組み、避妊、性感染症、性の多様性、同意の重要性)を、この時期に得られるようにすることが、その後の健康を左右する。摂食障害、自傷、性に関する悩み、いじめといった問題も現れやすい時期であり、身体の変化への関心の背後にある心理的な課題にも目を向ける。
間違えやすい考え方
発達段階の関心を問う型で、誤肢が別の時期の課題である。第二次性徴という条件で切る。
5分で振り返る
①思春期には性ホルモンの急増により身体が急速に変化し、関心が自分の身体へ向かう。②他人との比較、早いか遅いかが自己像と自尊心に直結する。③善悪の区別は幼児期から学童期、仕事と家庭の両立と経済力は成人期の課題。④エリクソンでは青年期の課題は自我同一性の確立。⑤現れ始める順は、女性が乳房→陰毛→身長急増→初経、男性が精巣→陰茎と陰毛→身長急増→変声と精通。ただし直列ではなく重なって進み、初経は身長の伸びのピークを過ぎた頃になる。⑥男性のほうが2年程度遅い。⑦正常であることと個人差が大きいことを伝える。
1分チェック
- 第二次性徴の発現期に関心が向くのは。→ 自己の身体の変化。
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