上行大動脈から分枝するのはどれか。
公式正答:1
解説
大動脈は上行大動脈→大動脈弓→下行大動脈と続く。上行大動脈から出る枝は冠状動脈だけで、残りの3本は大動脈弓から出る。
この問題で問われていること
大動脈の区分と、それぞれからどの枝が出るかを言えるか。大動脈弓の3枝の名前と順序もあわせて問われている。
しくみから理解する
左心室から出た大動脈は、まず上向きに走る上行大動脈となり、ここから左右の冠状動脈が分枝する。分枝の場所は大動脈弁のすぐ上のバルサルバ洞で、大動脈のなかで最初に出る枝である。続く大動脈弓からは、右から順に腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈の3本が出る。腕頭動脈はさらに右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれる。右だけ腕頭動脈という共通の幹があり、左は総頸動脈と鎖骨下動脈が直接大動脈弓から出るという左右非対称が特徴。 【接地元】人体の構造と機能 第5版 動脈系、解剖学の講義録(桂先生・循環)、解剖学深掘り編(石川先生・大動脈とその枝)
選択肢ごとの確認
上行大動脈起始部のバルサルバ洞から左右2本が出る。大動脈の最初の枝。
大動脈弓の第1枝。右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれる。左側には対応する血管がない。
大動脈弓の第2枝。右総頸動脈は腕頭動脈から分かれるので、左右で出方が違う。
大動脈弓の第3枝。
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混同しやすいポイント
冠状動脈が「大動脈の枝」であることを見落としやすい。心臓を養う血管なので心臓の内部から出ていると思い込むと選べない。心臓は自分が送り出した血液を、大動脈の一番根元で受け取っている。
理解を深める
冠状動脈が大動脈弁のすぐ上から出ることには意味がある。心室が収縮しているあいだ、冠状動脈は心筋に圧迫されて血流が減り、拡張期にこそ最もよく流れる。だから頻脈で拡張期が短くなると心筋への血流が減り、狭心症を起こしやすくなる。左冠状動脈は前下行枝と回旋枝に分かれ、前下行枝は左心室前壁と心室中隔を、回旋枝は左心室側壁を、右冠状動脈は右心室と左心室下壁と洞房結節・房室結節を養う。下壁梗塞で徐脈が起こりやすいのは、右冠状動脈が刺激伝導系を養っているためである。
間違えやすい考え方
大動脈弓の3枝を並べて、そこに1つだけ別の区分の枝を混ぜる型。「上行大動脈=冠状動脈だけ、大動脈弓=腕頭・左総頸・左鎖骨下の3本」と場所ごとに固めておく。
5分で振り返る
大動脈=上行大動脈→大動脈弓→下行大動脈(胸大動脈・腹大動脈)。上行大動脈から左右の冠状動脈が出る(バルサルバ洞)。大動脈弓から右→左の順に腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈。腕頭動脈は右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれる。冠状動脈は拡張期に流れるので、頻脈は心筋虚血を招きやすい。右冠状動脈は洞房結節・房室結節も養う。
1分チェック
- 上行大動脈から出る枝は何か
- 大動脈弓から出る3本を右から順に言えるか
- 右総頸動脈はどこから分かれるか
- 冠状動脈に血液が流れるのは収縮期か拡張期か
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