膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater〈ファーター〉乳頭)に開口するのはどれ か。
公式正答:3
解説
膵管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開口するものを問う。総胆管である。
この問題で問われていること
胆道系の走行を、合流の順序として説明できるか。
しくみから理解する
胆道系は次の順序で構成される。肝臓の中で作られた胆汁は、左右の肝管に集まり、これが合流して総肝管となる。総肝管に、胆囊から出る胆囊管が合流して総胆管となる。総胆管は膵頭部の中を通り、主膵管と合流して膨大部(ファーター膨大部)を形成し、大十二指腸乳頭として十二指腸下行部に開口する。開口部にはオッディ括約筋があり、胆汁と膵液の流出を調節している。したがって、膵管と合流して乳頭に開口するのは総胆管になる。
選択肢ごとの確認
肝管は、肝臓の右葉と左葉からそれぞれ出る管である。左右の肝管が合流して総肝管になる段階であり、膵管と合流する位置より上流にある。
総肝管は、左右の肝管が合流したものである。ここに胆囊管が合流して総胆管になる。膵管と合流するのは総胆管になってからである。
胆囊管は、胆囊と総肝管をつなぐ管である。胆汁を胆囊へ運び入れ、また送り出す通路になる。膵管とは直接合流しない。
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混同しやすいポイント
合流の順序を一本の流れとして覚える。左右肝管 → 総肝管 → (胆囊管が合流)→ 総胆管 → (主膵管と合流)→ 大十二指腸乳頭。誤肢はすべて、この流れの上流にある管である。どこで何が合流するかを順に辿れば、乳頭に開口するのは最も下流の総胆管だと分かる。
理解を深める
この解剖は、いくつかの病態の理解に直結する。総胆管に結石が嵌頓すると(総胆管結石)、胆汁の流出が妨げられて閉塞性黄疸となり、感染が加われば急性胆管炎になる。シャルコーの3徴(発熱、腹痛、黄疸)に、ショックと意識障害が加わったものがレイノルズの5徴で、緊急の胆道ドレナージを要する。膵頭部の癌も同じ部位で総胆管を圧迫し、無痛性の閉塞性黄疸を呈することがある。胆囊管が閉塞すれば、胆汁は総胆管を通れるため黄疸は出ず、胆囊炎の症状(右季肋部痛、マーフィー徴候)が中心になる。この違いは、閉塞の部位から症状を導く例として重要になる。内視鏡的逆行性胆管膵管造影は、乳頭からカテーテルを挿入して胆管と膵管を造影する検査で、治療(結石の除去、ステント留置)も行える。合併症として膵炎に注意する。
間違えやすい考え方
解剖の順序を問う型で、誤肢がすべて流れの上流にある管である。合流の順序で切る。
5分で振り返る
①左右肝管→総肝管→(胆囊管が合流)→総胆管→(主膵管と合流)→大十二指腸乳頭。②開口部にオッディ括約筋があり流出を調節する。③総胆管の閉塞=閉塞性黄疸、感染が加われば急性胆管炎(シャルコーの3徴)。④レイノルズの5徴=3徴+ショック+意識障害で緊急ドレナージ。⑤胆囊管の閉塞では黄疸は出ず胆囊炎の症状。⑥膵頭部癌は無痛性の閉塞性黄疸。⑦内視鏡的逆行性胆管膵管造影の合併症は膵炎。
1分チェック
- 膵管と合流して十二指腸に開口するのは。→ 総胆管。
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