看護過程における客観的情報はどれか。
公式正答:2
解説
看護過程における客観的情報を問う。患者の表情である。
この問題で問われていること
主観的情報と客観的情報の区別を、誰が観察したかという基準で行えるか。
しくみから理解する
客観的情報(オブジェクティブデータ)は、観察や測定によって得られる、第三者が確認できる情報を指す。患者の表情は、看護師が見て確認できる事実であり、客観的情報にあたる。他に、バイタルサイン、検査値、身体所見、皮膚の色、姿勢、歩き方、食事摂取量、排泄の回数と性状、行動などが含まれる。これに対し、主観的情報(サブジェクティブデータ)は、患者自身が語った内容、すなわち症状の訴え、感情、考え、希望である。
選択肢ごとの確認
家族の意見は、家族という他者が語った主観的な内容になる。患者本人の主観的情報とは区別されるが、観察や測定によって得られた客観的な事実ではない。
患者の痛みの訴えは、典型的な主観的情報である。痛みは本人にしか分からない体験であり、他者が測定できない。ただし、痛みに伴う表情、体位、発汗、脈拍の変化は客観的情報として観察できる。この組み合わせで評価する。
患者の病気に対する思いも主観的情報になる。本人が語った内容であり、看護にとって極めて重要な情報だが、区分としては主観的なものになる。
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混同しやすいポイント
『誰が語ったか、それとも観察・測定したか』で分ける。語られたもの=主観的情報。見た、測った、触れた、聞こえた(聴診)ものは客観的情報。混同しやすいのは、痛みのように、訴えは主観的だが、それに伴う所見は客観的という場合になる。記録では両者を区別して書くことが求められ、SOAP形式(主観的情報、客観的情報、アセスメント、計画)はこの区別を前提にしている。
理解を深める
看護過程は、アセスメント、看護診断(問題の明確化)、計画、実施、評価という段階を循環する。アセスメントの段階では、情報を収集し、それを解釈・分析して、その人に何が起きているかを判断する。情報の収集では、主観的情報と客観的情報の両方を集め、両者を照らし合わせることが重要になる。たとえば「痛くない」と言う患者が、顔をしかめ、体を動かさず、脈拍が上がっているなら、訴えと観察が食い違っている。この食い違い自体が重要な情報になり、なぜ訴えないのか(我慢、遠慮、迷惑をかけたくない、痛みを認めたくない)を考える手がかりになる。逆に、検査値が正常でも本人がつらいと訴えるなら、その訴えを疑うのではなく、数値で捉えられていない何かがあると考える。客観的情報を優先し主観的情報を軽視することも、その逆も、どちらも判断を誤らせる。両者を突き合わせて全体像を描くことが、アセスメントの本質になる。
間違えやすい考え方
情報の区分を問う型で、誤肢がすべて語られた内容である。観察・測定できるかで切る。
5分で振り返る
①客観的情報=観察・測定で得られ第三者が確認できるもの(表情、バイタルサイン、検査値、身体所見、行動)。②主観的情報=患者が語った訴え、感情、考え、希望。③家族の意見も語られたもので客観的情報ではない。④痛みの訴えは主観的、それに伴う表情・体位・脈拍は客観的。⑤記録では両者を区別する(SOAP形式)。⑥訴えと観察が食い違うこと自体が重要な情報になる。⑦どちらか一方を軽視すると判断を誤る。
1分チェック
- 客観的情報とは。→ 観察や測定で得られる、第三者が確認できる情報(表情、バイタルサイン、検査値)。
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